[東京 18日 ロイター] -
<東短リサーチ チーフエコノミスト 加藤出氏>
日銀は18日の金融政策決定会合で、より効果的・持続的な金融緩和を実施していくための点検を行うと表明した。2016年9月の「総括的検証」のように金融緩和政策の枠組みに踏み込むような見直しではないとしているので、何か施策に変更があっても技術的なものにとどまるのだろう。
なぜこのタイミングで表明したのか。今月は欧州中央銀行(ECB)が追加緩和をして、米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和(QE)に関するフォワードガイダンスを公表した。その中で、ドル/円が103円台と円高方向に振れていて、きょうの消費者物価指数(CPI)も弱かったということで、日銀としても何かの姿勢を示しておかねばと考えた可能性がある。
年6兆円としていた上場投資信託(ETF)の購入目標額を12兆円に倍増したのは今年3月。来年3月で1年になる。そういう意味では、ETFを中心に運用を見直すタイミングではあるかもしれない。とりあえずマーケットは危機ではないので、この12兆円は外す方がいいだろう。これが残っていると次の危機が来た時に買い入れを増額したと言えなくなる。「必要が生じたら柔軟に買い入れを増やす」というように言い回しを工夫したりすることも考えられる。
杉山健太郎
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」