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緩和長期化、政策の持続力高める工夫模索すべき=日銀議事要旨

[東京 23日 ロイター] - 日銀が10月28―29日に開いた金融政策決定会合では、金融緩和の長期化が見込まれる中、上場投資信託(ETF)やJ-REITの買い入れについて、政策の持続力を高める工夫の余地を探るべきとの意見が出た。日銀は12月の決定会合で、効果的・持続的な金融緩和を実施していくため政策の「点検」を行うと表明しており、政策委員会内で徐々に問題意識が共有されてきたことがうかがえる。

日銀が10月28―29日に開いた金融政策決定会合では、新型コロナウイルス対応の「3つの柱」で企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めることが適当との認識を大方の委員が共有した。写真は5月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

日銀が23日に公表した議事要旨によると、10月の会合では、新型コロナウイルス対応の「3本柱」の継続が適当との認識が大方の委員で共有され、来年3月末に期限迎える措置について適切なタイミングで延期を含めた検討を行うべきとの意見もあった。

一方、金融政策運営に関する留意点も議論された。ある委員は、ETFやJ-REITについて、当面は積極的な買入れを維持する必要があるが、金融緩和の長期化が展望される中、資産価格のプレミアムへの働きかけが真に必要なタイミングでの買い入れが困難にならないように政策の持続力を高める工夫の余地を探るべきだと述べた。

また、危機対応が長期化するほど持続的成長に向けた構造改革を遅らせるといった可能性には留意すべきとある委員が指摘したほか、別の委員からは「ウィズ・コロナ」の視点から2%の物価安定の目標の実現に向けた政策対応について議論を整理していく必要があるとの意見が出ていた。

黒田東彦日銀総裁は12月の決定会合後の会見で「コロナ感染症の影響もあって2%の物価目標の達成時期がかなり先になったことで、より効果的、持続可能な金融緩和手段を十分検討する価値がある」と説明したが、10月時点から政策の「点検」に対する必要性について委員会内で認識されていた。

<コロナ注視、必要なら追加措置>

日銀は10月の決定会合で「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の現状維持を賛成多数で決定。一連のコロナ対応も継続し、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていくとした。

ある委員は、失業や倒産の急速な増加は回避されており、当面は政策効果を見極めていくことが適切だと指摘。別の委員は、新型コロナ感染拡大の影響が長期化することも視野に入れ、感染症への対応措置も含め、政策の時期尚早な手仕舞いは避けるべきとの見方を示した。

こうした議論を経た上で、当面、新型コロナの影響を注視し、必要があれば躊躇(ちゅうちょ)なく追加的な金融緩和措置を講じると委員の認識が一致した。

同会合と同時に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)では、2020年度の実質成長率と物価の見通しを引き下げた。一方、景気の現状については「経済活動が再開するもとで、持ち直している」とし、9月の決定会合での「持ち直しつつある」との評価から一歩前進させていた。

*内容を追加します。

杉山健太郎 編集:山川薫、田中志保

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