[ワシントン 22日 ロイター] - トランプ米大統領は22日、議会が可決した新型コロナウイルス追加経済対策について、国民への直接給付金の引き上げや無駄な支出の排除などの修正を求め、現行のままでは署名しない意向を示した。
トランプ氏はツイッターに投稿した動画で「彼らが私に送ろうとしている法案は予想していた内容とかなり異なる。不名誉なことだ」と述べた。
同法案は与野党の対立を経て、上下両院で21日夜にようやく可決にこぎ着けた。
トランプ氏が署名しないと警告したことを受け、超党派の取り組みは混乱に陥るとみられる。
トランプ氏は、現行600ドルの国民への直接給付金について、「ばかばかしいほど低い」とし、2000ドルへの引き上げを要求。諸外国や米スミソニアン協会、魚の養殖に関連する資金などの支出にも不満を示している。
また、企業の食費支出に対する2年間の優遇税制措置についても、外食産業を支えるためには「不十分だ」と批判している。
トランプ氏は「不要な項目も法案から直ちに削除し、適切な法案を送るよう議会に要請する。そうでなければ、次期政権が新型コロナ経済対策を提供することになるだろう」とし、「次期政権もおそらく私になるが」と付け加えた。
新型コロナウイルス追加経済対策は、1兆4000億ドル規模の2021年度歳出法案と同時に可決された。連邦政府の運営資金は一時的に今月28日まで手当されている。
政府機関の一部閉鎖を回避するには、再びつなぎ予算を可決するか、トランプ大統領が拒否権を発動した場合に議会が拒否権を覆す必要がある。
ホワイトハウスは、追加経済対策の可決前、対策に反対する意向を全く示しておらず、トランプ氏の署名は確実視されていた。
ペロシ下院議長は、共和党側が交渉中、トランプ大統領の望む直接給付金の額を明らかにしようとしなかったとツイッターに投稿。民主党には、直接給付金を2000ドルに引き上げる大統領の案を今週、下院本会議で採決する用意があると述べた。トランプ氏が指摘した他の問題点には言及しなかった。
トランプ氏は23日午後にはフロリダ州の別荘「マールアラーゴ」に移り、年末まで過ごす予定。
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