[東京 7日 ロイター] -
<ソニーフィナンシャルホールディングス シニアエコノミスト 渡辺浩志氏>
ねじれ議会を想定していた市場参加者も多いだけに、今回の「トリプルブルー」はサプライズ。米国の経済政策の転換点になるのではないか。バイデン政権が大規模な財政出動を行い国債が増発されるとの見方から、金利が急騰している。ただ、金利上昇が止まらなければ、景気や株式市場へ大きな影響が出てくる可能性も高い。
トランプ派によるデモなど、政治の混乱は警戒されるところ。経済格差や貧富の格差がさらに広がるという米国民の不満が高まっている。
短期的には金利の上昇による株式市場の乱調が予想される一方、長期的には政策期待が高まり、バブル相場が加速するとみている。ただ、今後新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かえば、財政出動や金融緩和が市場に許容されるかという疑念もある。予期せぬ金利上昇やインフレが意識される可能性もあり、金利の動向とそれに対する市場の見方が今後の注目点になるだろう。
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