[上海 14日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は軟調。中国人民銀行(中央銀行)が基準値を元安方向に設定したことや、ドルが反発したことが背景。
バイデン米次期政権による追加景気対策期待が高まる中、米国債利回りが上昇し、それに伴いドルは主要通貨に対して上昇した。
人民銀行はこの日の基準値(中間値)を1ドル=6.4746元に設定。前日基準値の6.4605元との比較で141ポイントの元安となった。
スポット市場の元は1ドル=6.4688元で取引を開始。中盤のレートは6.4718元と、前日終値比で37ポイントの元安となっている。
市場関係者は、この日発表された中国の予想以上に堅調な貿易統計は、人民元相場をさほど支援しなかったと指摘。各国で新型コロナのワクチン接種が進む中、今後他国の需要も持ち直し、コロナからいち早く回復した中国経済の相対的な優位性が低下すると予想されている。
中国の昨年12月の輸出は予想を上回る伸びを示した。人民元が上昇し輸出価格を押し上げたにもかかわらず、新型コロナウイルス禍による各国の経済活動制限で中国製品への需要が高まった。国内経済の力強い回復で輸入も伸びた。
ある外資銀行のトレーダーは「各国のワクチンに関する良いニュースや世界経済の明るい回復見通しにより、短期的にドル指数はさらに上昇し、人民元相場を圧迫する」とコメントした。
中国人民銀行の金融政策局トップ、Sun Guofeng氏は13日、中国は金融政策手段に革新性を与え、政策波及メカニズムを向上させて、マクロ政策の国際協調力を強化していく必要があるとの見方を示した。
トランプ米政権は、中国のアリババと騰訊控股(テンセント)、百度(バイドゥ)を投資禁止の対象となるブラックリストに追加する方針を撤回した。複数の関係筋が明らかにした。
ドル指数は前日終値の90.296から90.405に上昇した。
オフショア人民元は1ドル=6.4675元。
1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は6.6023元で、基準値を1.93%下回っている。
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