[上海 22日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は、米中関係を巡る懸念を背景に対ドルで下落した。ただ、ドルが軟調となる中、週間では小幅上昇する見通し。
中国人民銀行(中央銀行)は、この日の人民元の対ドル基準値(中間値)を前日より79ポイント元高の1ドル=6.4617元に設定した。
スポット市場の取引は6.4680元で始まり、中盤時点では前日終値比84ポイント元安の6.4679元。
オフショア人民元は6.4711元となっている。
市場関係者は、バイデン新政権の下で米国と中国の関係が改善するとの期待が後退し始めており、元の上昇を抑制する可能性があると指摘した。
財務長官に指名されたイエレン前連邦準備理事会(FRB)議長は、中国が米中貿易協議の第1段階の合意を履行しているかどうかを精査する考えを示した。また、同盟国との連携を強化し、あらゆる手段を使って中国の「脅迫的」な取引慣行の是正に取り組むと述べた。
共和党議員からは、トランプ前政権の高官に対する制裁を発表した中国に一段と強い姿勢で対応するようバイデン政権に求める声が上がっている。
米中関係はここ数年にわたり、人民元相場を左右する主な要因の1つとなってきた。
ただ、リスク選好の高まりでドルが軟調となる中、今週1週間では人民元が対ドルで小幅上昇する見通し。
中盤の水準できょうの取引を終えれば、週間では0.2%高となる。人民元は2020年に7%近く上昇、年初来はこれまでに0.9%上昇している。
中国外為当局は現在の人民元相場について、妥当で均衡のとれた範囲内との認識を示した。
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