[上海 28日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は小幅上昇。春節(旧正月)を控えた銀行間市場の流動性逼迫により、短期金融市場で金利が上昇した。ただ、世界的な株安を背景にドルなど安全資産が買われたことから、人民元の上昇は限定的となった。
中国人民銀行(中央銀行)は、この日の人民元の対ドル基準値(中間値)を前日より180ポイント元安の1ドル=6.4845元に設定した。
スポット市場の取引は6.4900元で始まり、中盤時点では前日終値比33ポイント元高の6.4789元。
オフショア人民元は6.4975元となっている。
中国短期金融市場ではこの日、翌日物加重平均レポ金利が3.0042%に上昇し、2015年4月1日以来の高水準を付けた。
トレーダーは、米連邦準備理事会(FRB)が27日に示した慎重な見方や米株価急落を受けたリスク回避を背景に、人民元は6.5000元の水準付近で圧迫されていると指摘した。
FRBは26─27日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を現行のゼロ%近辺に据え置くと同時に、国債などを買い入れる量的緩和も現行水準を維持すると全会一致で決定。新型コロナウイルス感染拡大で引き起こされた景気後退から完全に回復するまで、こうした景気支援策を継続すると改めて確約した。
みずほ銀行(香港)の主任アジアFXストラテジスト、ケン・チャン氏はリポートで「オフショア人民元が6.50元台に軟化する中、人民元の短期的な見通しについてわれわれはより慎重になる」とし、「人民銀行がレバレッジ解消の取り組みを進めるとの懸念が中国株の調整を引き起こし、中国株式市場への資金流入が抑制される可能性がある」との見方を示した。
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