[シドニー 3日 ロイター] - オセアニア外国為替市場では、豪ドルが小幅反発している。世界経済の先行きに対するセンチメントが改善し、前日下落分の一部を取り戻している。
豪ドル/米ドルは、0.04%高の0.7610米ドル。支持線は0.7600米ドル近辺。引き続き1月高値(0.7819米ドル)を大きく下回っている。
ウエスタンユニオン・ビジネス・ソリューションズの通貨ストラテジスト、スティーブン・ドゥーリー氏は、「オーバーナイトに米国株が大幅に上昇したことから、リスクセンチメントが上向いている。アジアの株式市場は上昇しており、これが豪ドルを下支えしている」とコメントした。
オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)のロウ総裁はこの日の講演で、2日に金利据え置きと債券買い入れプログラムの1000億豪ドル増額を決定したことについて、為替相場がひとつの要因だと説明した。
債券買い入れが金利引き下げに役立ったことは明確で、豪ドル安を意図するという点で効果があったと指摘。「4月に債券買い入れプログラムを止めれば、為替相場に好ましくない上昇圧力がかかる可能性がある」との見方を示した。
豪10年債利回りは1.14%に上昇。前日の中銀の債券買い入れ拡大発表後には1.096%近辺で推移していた。
ニュージーランド(NZ)ドルは、0.39%高の0.7218米ドル。
この日統計局が発表したNZの2020年第4・四半期の雇用統計は、失業率が4.9%と前四半期の5.3%から予想外に改善した。これを受け、NZ準備銀行(中央銀行)の追加利下げ観測が後退し、早期の金融引き締め観測が浮上した。
NZ10年債利回りは1.360%に上昇し、3月20日以来の高水準となった。
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