[上海 8日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元の対ドル相場は、中国当局による引き締め観測やドルの軟調を背景に上昇した。ただ、旧正月(春節)休暇を前に商いは薄い。
中国金融市場は11日から1週間、休場となる。春節前には通常、企業の決済需要でドル売り人民元買いが広がる。
OCBC銀行はリポートで「人民元建て資産への堅調な需要と企業の季節的な人民元需要を背景に、市場ではドル売り人民元買いモードが続いている」と説明した。
スポット人民元は6.4640元で取引を開始。中盤時点では6.4575元と、前日比89ポイントの元高。
公式データによると、主要貿易相手国・地域通貨に対する人民元の価値を示すCFETS人民元指数は5日、2018年6月以来の高水準となる96.95に上昇した。市場では、同指数上昇に対する警戒感が高まっているという。
人民銀行(中央銀行)は取引開始前、元の基準値を1ドル=6.4678元に設定。前日基準値(6.471元)から32ポイント(0.05%)の元高水準だった。
中盤時点の取引高は123億ドルと、通常の半日の約150億ドルを下回っている。
新型コロナ危機から中国経済がいち早く回復するなか、当局が引き締めに動くとの観測が浮上し、フォワード市場の人民元スワップカーブを支援している。
人民銀行は今年は例年のように公開市場調査を通じて大規模資金供給を行っておらず、旧正月後も引き締めバイアスを維持するとの見方が広がっている。
1年物のドル/人民元スワップポイントは1683ポイントと、2020年12月4日以来の高水準に上昇した。
中盤のドル指数は91.06。オフショア人民元は対ドルで6.4531元。
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