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ホンダ6年ぶりトップ交代、三部氏「アライアンス含め実行」 電動化急ぐ

 2月19日、 ホンダは19日、三部敏宏専務(写真左)が4月1日付で社長に昇格する人事を正式に発表した。都内で行われた記者会見で撮影。右は八郷隆弘社長(2021年 ロイター/Maki Shiraki)

[東京 19日 ロイター] - ホンダは19日、三部敏宏専務(59)が4月1日付で社長に昇格する人事を正式に発表した。電動化や環境技術に明るい三部氏を社長に充てることで、次世代技術の実用化時代への対応を急ぐ。トップ交代は6年ぶり。三部氏は会見で、将来の成長へ、アライアンスも含めて検討していく考えを示した。

同社は6月の定時株主総会をもって指名委員会等設置会社へ移行する。三部氏は移行後に取締役代表執行役社長に就く。八郷隆弘社長(61)は4月1日付で代表権のない取締役となり、指名委員会等設置会社移行後の6月に退任する。倉石誠司副社長(62)は留任し、三部新体制を支える。19日夕の会見で三部氏は「私の役割は、特に将来の成長への仕込みを加速させ、実行に移すことだ」と抱負を語った。そのうえで、従来は内部で全てつくってきたが、スピード勝負の時代にそれでは「時間がかかる」として「必要であれば外部の知見活用やアライアンス検討なども含めて、躊躇なく決断、実行する」と述べた。

さらに「商品をポンと出すのではなく、社会課題、時には強い競合相手に立ち向かう企業姿勢、そんなホンダらしさを前面に出していきたい」と語った。自身の強みは「プレッシャーには強い」と分析し、「激動の時代に向いているほうだ」と話した。

八郷氏は、このタイミングで社長交代を決めた理由について、生産能力の見直しや研究開発体制の改革などをやり遂げ、新たな時代に向けて「走り出す準備が整った」と説明。社長として「やり残したことがあるとは感じていない」と振り返った。三部氏については「私よりもバイタリティーがあり、行動力もある。環境対応のエキスパート」と評価した。

退任後に歴代社長が就いていた取締役相談役としてもとどまらない理由については、指名委員会等設置会社への移行で「ガバナンス体制を大きく変えていくことにした。取締役相談役は必要ない」と判断したという。 新体制では、三部氏が最高経営責任者(ⅭEO)に、倉石副社長が引き続き最高執行責任者(COO)となる。三部氏は、倉石氏とは「課題認識はまったく共通。取り組んでいる方向も合っている。ともに成長を加速していける」と述べた。三部氏は広島大院修了後、1987年に入社。2014年に執行役員、18年に常務、20年に専務に就任。エンジン開発に長く携わり、19年からは本田技術研究所の社長も兼任して電動化や自動運転分野で中心的な役割を担ってきたほか、八郷氏とともに研究開発体制の改革を進めてきており、次期社長候補と目されていた。

八郷氏は15年の社長就任後、それまでの拡大路線を修正し、収益重視に転換。英国工場や狭山工場の閉鎖などを決めて余剰生産能力を削減したほか、自動車レースのフォーミュラ1(F1)からの撤退も決断。米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携も強化した。三部氏もGMとの協業強化など他社との提携を推進してきたが、今後はトップとして次世代技術対応を加速する。

SBI証券の遠藤功治企業調査部長は、八郷氏の6年間は「伊東孝紳前社長が進めた拡大路線の軌道修正に取り組んだことには一定の功績がある」と評価。ただ、GMとの提携強化などによる電動化戦略で狙い通りの成果が出るかどうかなどの課題もあり、「時価総額は社長就任時から2兆円近く消失している。株式市場から評価されたとは言い難い」とも述べた。実質的には副社長が経営の舵取りをすることから、倉石副社長の留任で「経営の方向性は大きく変わらないのではないか」との見方も示した。

一方、遠藤氏や自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは、研究所社長を兼任してきた三部氏の社長就任で「エンジニアなど社員のモチベーションは上がるだろう」とみている。宮尾氏はまた、「三部氏にはリーダーシップを発揮してもらい、トヨタ自動車と並んで2トップで日本経済を引っ張っていってくれるようなホンダに戻してほしい」と期待を寄せた。

*写真を差し替えて再送します。

白木真紀 編集:石田仁志

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