[北京 10日 ロイター] - 中国の2月の新規人民元建て融資は1兆3600億元(2088億6000万ドル)で、前月比で減少した。ただ、アナリスト予想は上回った。中国人民銀行(中央銀行)は景気刺激策により昨年大幅に増加した債務水準を安定させる一方で、急激な政策変更を避け、不振に陥っている小規模企業の支援を続ける方針を示している。
ロイターがまとめたアナリスト調査では、2月の新規融資は9500億元で、過去最高だった1月の3兆5800億元から減少すると予想されていた。前年同月は9057億元。
興業証券のアナリストは「与信が予想を上回った。中銀が抑制しても実際の借り入れ需要は非常に強い」と述べた。
人民銀行は昨年、様々な景気支援措置を講じたが、最優遇貸出金利は昨年5月から据え置いている。人民銀行などの当局は、バブルを警戒し、銀行に融資の圧縮を指示したとされる。
マネーサプライM2伸び率は前年比10.1%で、アナリスト予想の9.4%を上回った。1月は9.4%だった。
<与信は今後減速へ>
2月末時点の人民元建て融資残高は前年比12.9%増で、1月の12.7%から伸びが加速した。アナリスト予想は12.7%増。
また、銀行融資のほか、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などを含む社会融資総量残高は2月末時点で291兆3600億元(44兆7500億ドル)で、前年比13.3%増加した。同じく1月の13%から伸びが拡大した。
2月の社会融資総量は1兆7100億元で前月の5兆1700億元から減少した。アナリスト予想は9500億元だった。
アナリストは、社会融資総量の伸び率が今年末には11%程度に減速すると予想する。
キャピタル・エコノミクスは「足元の伸び加速は一時的なもので、広義の与信の伸びは近いうちに再び鈍化傾向になる」との見方を示した。
*内容を追加しました。
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