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UPDATE 3-トヨタ・日産が満額回答、自動車総連会長「大いに評価」  

(自動車総連会長のコメントなどを追加しました。)

[東京 17日 ロイター] - トヨタ自動車と日産自動車は17日、2021年春季労使交渉(春闘)で、賃上げ・年間一時金(賞与)ともに労働組合の要求に満額で回答したと発表した。スズキ、SUBARU(スバル)、1週間早く妥結したホンダも賞与は満額回答だった。

自動車メーカーなどの労組で構成する自動車総連の高倉明会長は同日、自動車産業の変革期・新型コロナウイルス禍を乗り越えるための充実した議論ができ、「将来につながる価値ある回答を引き出せた」として、結果を「大いに評価したい」と述べた。

トヨタは、定期昇給や各種手当などを含む総額として組合員平均で月9200円の賃上げ、賞与は年6.0カ月分を実施する。賃上げは昨年の妥結額より600円高く、賞与は0.5カ月分減った。

豊田章男社長は「それぞれの現場で今やるべきことを地道にこつこつ積み上げ、改善を続けてくれている組合員の頑張りに感謝し、要求通りの回答とした」などと話した。桑田正規執行役員がこの日、記者団に説明する形で社長のコメントを紹介した。コロナ感染拡大の影響で生産・販売は一時落ち込んだが、7─9月期以降は急回復しており、回答内容は業績も踏まえて判断したという。

トヨタは基本給を底上げするベースアップ(ベア)に当たる賃金改善分の有無を公表していない。昨年は7年ぶりにベアを見送った。同社は従来より春闘相場のリード役を務めてきたが、業界内の賃金水準の格差拡大にも配慮し、ここ数年はベアを非公表としている。組合側も19年からはベアの具体額を明示せず、定期昇給などを含む総額での要求に変更して賃上げを求めており、21年は要求額にベア分を含むかどうかも非公表としていた。

トヨタの今年の春闘では、賃金の議論がほとんどなく、会社の課題を中心に話し合われた。豊田社長は「今のトヨタには賃上げ以上にリード役として求められていることがある。それは550万人が働く自動車産業全体の幸せだ」と指摘。「デジタル化とカーボンニュートラル(脱炭素)を2本柱として労使で自動車産業のリード役を務めたい」と語った。

具体策は今後検討するが、3年後をめどに「デジタル化は世界のトップ企業と肩を並べる水準に一気に持っていきたい」とした。また、「エネルギーのグリーン化が進まなければ、生産拠点が海外に移り、(国内の)雇用問題に関わる」として労使ともに危機感を持って脱炭素を正しく理解し行動することを目標に掲げた。

日産もベア分は非開示で、総額として組合員平均で月7000円の賃上げ、賞与は5.0カ月分を実施。日産にはベアの仕組みがすでにないが、同業他社に合わせて参考として「ベア相当額」をこれまでは示していた。

ホンダは賞与を組合要求通りの5.3カ月分(昨年は5.95カ月分)にすると10日に発表。集中回答日である17日より1週間も早く妥結した。ホンダは「将来に向けて大胆かつスピード感を持って改革に取り組んでいくため」としている。ベアについては、コロナ感染拡大などによる事業環境の悪化を理由に、組合側が要求しなかった。

マツダと三菱自動車の組合もベア要求は見送り、賞与はいずれも要求を下回った。スズキは、賞与が年5.3カ月分と満額回答だったが、賃上げ総額は要求より500円少ない7000円だった。スバルも賞与は5.2カ月分で満額回答、7000円を要求していた賃上げ総額は現状維持となった。 (白木真紀、山光瑛美 編集:田中志保)

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