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日銀総裁、長期金利の変動幅拡大の思惑を否定 過度な上昇に警戒感

[東京 19日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は19日、金融政策決定会合後の会見で、長期金利の変動幅を「プラスマイナス0.25%程度」と声明に明記したことについて、「金利の変動は一定の範囲内であれば金融緩和の効果を損なわず、市場の機能度にプラスに作用すると点検で確認した」と説明。その上で「変動幅を拡大したものではない」と述べた。黒田総裁はまた、緩和効果を損なうほどの金利上昇に警戒感を示した。

 日銀の黒田東彦総裁(写真)は3月19日、金融政策決定会合後の会見で、長期金利の変動幅を「プラスマイナス0.25%程度」と声明に明記したことについて、「金利の変動は一定の範囲内であれば金融緩和の効果を損なわずプラスに作用すると点検で確認した」と説明。その上で「変動幅を拡大したものではない」と述べた。1月21日撮影(2021年 時事通信)

これまで長期金利の変動幅については、おおむねプラスマイナス0.1%から上下に倍程度は変動し得る、としていた。黒田総裁は「これまでやや幅をもって表現していたものを明確化した」とし、「長期金利の変動幅を拡大する考えは持っていない」と述べた。

日銀は長期金利の変動幅を明確化するのに併せ「連続指し値オペ制度」を導入した。黒田総裁は「金利が上方に行って、金融緩和の効果が影響を受けてしまうのは絶対に避けなければならない」と指摘する一方、長期金利が下限を下回っても「緩和効果を阻害するとは思わない」と語り、レンジの上下で日銀の対応が異なることを示した。

長期金利の許容変動を巡っては、黒田総裁が5日、国会の答弁で「拡大する必要があるとは考えていない」と述べる一方、雨宮正佳副総裁は8日の講演会で「緩和効果が損なわれない範囲内で、金利はもっと上下に動いてもいいのではないか」と述べ、正副総裁の見解が異なるのではないかとの見方が浮上していた。黒田総裁は19日の記者会見で双方の見解が「矛盾しているとは思わない」と述べた。

黒田総裁は、イールドカーブ・コントロール(YCC)によって金利を低位に維持することで経済を支えると強調。「今、イールドカーブを立てるように何かすることは考えていない」とも述べた。

日銀は、金融仲介機能への影響に配慮しつつ機動的に長短金利を引き下げるため、短期政策金利に連動する「貸出促進付利制度」を創設する。黒田総裁は、マイナス金利を深掘りするなら付利を引き上げて貸し出しを促進する仕組みだと説明。その上で「長短金利をさらに機動的に引き下げることが可能になった」と述べた。

<ETF購入、個別銘柄に偏った影響生じないようにする>

日銀は、上場投資信託(ETF)について年12兆円を上限に引き続き買い入れを行うとし、原則年6兆円の買い入れめどを削除した。黒田総裁は「昨年春に効果があった年12兆円の上限を維持した」と説明。十分な上限を示し、その範囲で大胆な買い入れを実施すると語った。

TOPIX連動型のみを買い入れ対象としたことについては「個別銘柄に偏った影響ができるだけ生じないようにすることは必要」だとの認識を示した。

日銀は18─19日の金融政策決定会合で、より効果的で持続的な金融緩和を行うために実施した政策点検の結果を公表した。黒田総裁は2%の物価目標達成に向けて粘り強く金融緩和を続けると強調し、「緩和政策の出口を議論するのは時期尚早」と語った。

*内容を追加しました。

杉山健太郎、和田崇彦 編集:石田仁志

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