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アングル:下落したTOPIX、ルネサス火災が影響 底堅さは維持

[東京 22日 ロイター] - 22日の東京株式市場では、日経平均とTOPIXがともに下落した。日銀の上場投資信託(ETF)買い入れ対象の見直しにより、かさ上げが期待されたTOPIXだが、ルネサスエレクトロニクスの工場火災により半導体不足の深刻化を警戒した自動車株売りなどが重しとなった。

3月22日、東京株式市場では、日経平均とTOPIXがともに下落した。写真はルネサスのロゴ。都内で2017年4月撮影(2021年 ロイター/Toru Hanai)

<ルネサスショック>

日銀は19日の金融政策決定会合で、ETFの買い入れ対象をTOPIX連動型のみにすると決定した。

きょうの下落率は、日経平均の2.07%に対し、TOPIXは1.09%と半分程度。相対的な底堅さはみせており、NT倍率は14.66倍と昨年11月以来の水準に低下している。

TOPIXは前週末まで9日続伸となっていた反動が出た可能性もある。

ただ、前週19日の米国株がまちまち、週明け22日の米株先物はもみあいと、強いリスクオフ地合いがみられない中で、TOPIXが1%以上の下落となったのは、週末に発生した半導体大手ルネサスエレクトロニクスの工場火災の影響だとみられている。

火災で影響を受けた半導体の3分の2が自動車向けとされる。ルネサスは1カ月程度で元の生産水準に戻すことを目指すとしているが、世界的な半導体不足の中、生産に悪影響が出るのではないかと、自動車株が軒並み安となったことがTOPIXを押し下げた要因だ。

需要ではなく供給面での問題であり、中長期的に嫌気されるほどの材料ではない、との指摘もあるが、半導体不足の中でのアクシデントに「供給不足を加速させることになり、一時的だがこれは明らかに株価にマイナス材料になる」(ピクテ投信投資顧問・シニアフェロー、市川眞一氏)との声も出ている。

<日銀の影響、見方割れる>

一方、日銀がETFの買い入れ対象をTOPIX連動型のみとしたものの、日経平均には大きな影響を及ぼさないとの見方もある。今年に入り、日銀のETF購入額は減少傾向となっているが、日本株の株価は逆行して上昇しているためだ。

22日の市場では、日本電産やキーエンスなど、日経平均の構成銘柄ではない銘柄が大幅安となったことから、日銀のETF購入方法の変更は、大きな株安要因にはなっていないとの指摘もある。

ただ、6兆円の年間購入めどを削除したことは、市場全体の期待に影響を与える可能性もある。「年間6兆円の購入めどがあれば、ある期間、日銀のETF購入が少なくても、帳尻を合わせるために別の期間で増加するとの期待が膨らむが、めどがなくなれば、その期待もできなくなる」(シンクタンクのエコノミスト)ためだ。

日経平均の下落率2%は、日本時間午後5時時点で主要アジア株市場の中でトップの下げあり、NT倍率の低下など影響はしばらく続くとの見方もある。

<需給環境の悪化も重し>

需給バランスの変化も相場の重しだ。東京証券取引所がまとめた3月第2週(3月8─12日)の投資部門別売買状況によると、現物株で信託銀行は9週連続で売り越しとなり、実需面では国内の機関投資家の売りが膨らんでいる。

市場では「世界的な株高の流れを受け、ファンドによっては年度末に上がりすぎた株のウェートを下げ、債券のウェートを上げるといった、新年度に向けてリバランスを行う。4月第1週までは売りが続く可能性があり、上値を抑える要因となりやすい」(国内証券)との声が出ている。

仮需面では信用取引で買った個人投資家の処分売りも懸念されている。東証が発表した3月12日申し込み現在の信用残は、売り残が8367億2300万円と1カ月前(2月19日申し込み現在)に比べて739億3800万円減少する一方、買い残は2兆9599億5000万円と1415億7100万円増加した。

信用倍率は3.09倍から3.53倍へ上昇し需給関係が悪化。将来の売り要因が大きい状態となっているほか、「下落している値がさ株については信用取引で買った投資家から投げ売りが出ている可能性もある」(別の国内証券)という。

(浜田寛子 取材協力:佐古田麻優、水野文也 編集:伊賀大記)

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