[シドニー 25日 ロイター] - オセアニア外国為替市場では豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルがほぼ横ばい。海外の堅調な製造業統計を受けた商品(コモディティー)価格の下げ止まりが支援材料となる一方、テクニカル面では複数の支持線を下抜けたことが重しとなっている。
豪ドルは0.7620米ドルの支持線を割り込んだ後、0.7594米ドルの水準で持ちこたえている。2月の安値0.7564米ドルに迫っており、この水準を下回れば0.7491米ドル、さらには200日移動平均線の0.7367米ドルまで下げる可能性がある。
NZドルは0.6975米ドル。今週はこれまでに2.7%下落し、0.7100米ドルと0.7000米ドルの支持線を割り込んでいる。
NZドルは同国政府が23日に住宅市場の過熱抑制に向けた一連の措置を発表したことを受けて急落している。これらの措置が景気を下押しし、早期利上げの必要性が低下するとの見方が背景にある。
ウェストパックのNZ戦略責任者イムレ・スパイザー氏は「(NZドルは)下向きの調整が続いている」とし、0.6800米ドルまで下落する可能性もあるとの見方を示した。ただ、世界経済の力強い回復傾向を踏まえると商品(コモディティー)価格が下支えされる見込みだとし、長期的にはNZドルへの強気姿勢を維持していると述べた。
政府の住宅政策を受けてNZ国債市場では来年の利上げを織り込む動きが急速に後退している。NZ2年債利回りは今週14ベーシスポイント(bp)低下し、直近では0.22%。10年債利回りも今週28bp近く低下している。
豪10年債利回りは今週12bp低下し、直近では1.689%。2月に一時39bpまで拡大していた米国債との利回り差は7.5bpに縮小している。
※原文記事など関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」