[上海 30日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は対米ドルで4カ月ぶりの安値まで下げた。新型コロナウイルスワクチンの接種加速と大型財政刺激策による米経済の回復期待でドル高基調が継続している。
元相場は3月の月間下落率が2019年8月以来の大きさとなる見込み。
中国人民銀行(中央銀行)は取引開始前に人民元の対ドル基準値(中間値)を4カ月ぶりの元安水準である6.5641元に設定。前日(6.5416元)よりも225ポイント(0.34%)元安の水準だった。
大幅な元安方向の基準値設定は大方の予想通りで、スポット市場の元相場も軟化。6.5790元で始まり、一時6.5799元と、2020年12月1日以来の元安水準。中盤時点では前営業日終値比21ポイント安の6.5711元。
トレーダーらによると、ドル高を受けて一部の企業はドル建ての収入を元に交換するのを見送った。
トレーダーの一部は、投資会社アーケゴス・キャピタルの問題が他に波及するとの懸念がある中、安全資産としてのドルにいくらか買いが出ていると指摘した。
外資系銀行のトレーダーは、元は心理的節目である1ドル=6.6元の水準を試す可能性があると述べた。
DBSのアナリストはリポートで「元の勢いはなお弱く、年央までに6.68元に下落するとわれわれは予想する」とした。
一方、株価指数を開発・算出するFTSEラッセルは29日、債券の旗艦指数であるFTSE世界国債インデックス(WGBI)に中国国債を10月末から3年かけて段階的に組み入れると発表した。
ゴールドマン・サックスは今年の資金流入額の予想を従来の1200億─1400億ドルから1500億─1800億ドルに引き上げた。
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