[ロンドン 31日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した2020年第4・四半期の国内総生産(GDP)確報値は前期比1.3%増と速報値の1.0%増から上方改定された。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は1.0%増だった。
2020年通年では9.8%減少。速報値(9.9%減)からわずかに上方改定されたものの、依然過去300年あまりで最大の落ち込みとなった。
新型コロナウイルスワクチン接種が欧州で最も急速に進んでおり、イングランド銀行(英中銀)は今年は5%の成長を見込む。
しかし景気回復の鍵を握るのは、家計が貯めこんだお金を消費に回すかどうかだ。
第4・四半期の貯蓄率は16.1%で第3・四半期の14.3%から上昇。2020年は16.3%で、19年の6.8%を大きく上回り過去最高となった。
パンテオン・マクロエコノミクスのエコノミスト、サミュエル・トゥーム氏は、貯蓄率の上昇は保有株の価値下落で帳消しになる可能性があると指摘し、家計は引き続き現金保有か運用低迷の年金への追加支出になるとみている。
第4・四半期の企業投資は前期比5.9%増加。個人消費は1.7%減少した。約7%増加した政府支出が経済を下支えした。
第4・四半期の経常収支は赤字幅が263億ポンドに拡大し、第3・四半期の約2倍となった。1月1日の欧州連合(EU)からの完全離脱を前に駆け込み輸入が増えた。ただ市場予想の330億ポンドは下回った。
2020年の経常赤字はGDP比3.5%で、前年までの3年とほぼ変わらずだった。
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