[上海 7日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は対ドルで一時2週間ぶりの高値を付けたが、中盤までに上げ幅を消した。ドルの動きを見極めながらの慎重な取引となった。
ドル指数は海外市場で2週間ぶりの低水準を付けた。過度な米早期引き締め観測が後退し、米国債利回りが低下したことが背景。
中国人民銀行(中央銀行)は人民元の対ドル基準値(中間値)を1ドル=6.5384元と、約2週間ぶりの元高水準に設定。前営業日の基準値(6.5527元)と比べて143ポイント(0.2%)の元高水準となった。
国内スポット市場の人民元は6.5400元で取引を開始し、一時6.5361元と、3月25日以来の元高水準を付けた。その後は上げ幅を消し、中盤時点で6.5413元と、前日終値比4ポイント元安。
複数の市場参加者は、投資家がレンジ取引を想定した戦略を採用し、ひとまず利益を確定したと指摘。ドルの最近の下落は一時的との見方が一部であるという。
中国の銀行トレーダーは、ドルの調整は長くは続かないと予想。米政府の大規模景気対策が長期的にドルの支援材料となり、元には多少の下押し圧力になる見通しだからだ。
招商銀行の首席為替アナリスト、李劉陽氏は元の最近の動きは基礎的条件(ファンダメンタルズ)よりも、おおむねドルの動きを反映していると分析。「ドルの次の動きで元の方向性がほぼ決まるだろう」とした。
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