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アングル:国内設備投資、コロナ長期化で低迷か 日中関係悪化への懸念も

[東京 16日 ロイター] - ワクチン接種の遅れなどで新型コロナウイルスの影響が長引き、国内の設備投資が低迷する兆候が出てきた。これまで海外経済の回復にけん引される形で輸出や生産は持ち直しの動きを示してきたが、設備投資の低迷が続けば、日本の成長力も圧迫される。こうした中、日米首脳会談が日中関係に影を落とすリスクも一部では懸念され始めている。

 4月16日、ワクチン接種の遅れなどで新型コロナウイルスの影響が長引き、国内の設備投資が低迷する兆候が出てきた。写真は2019年1月、東京都で撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

内閣府の機械受注統計によると、船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は1月が8417億円(前月比4.5%減)、2月が7698億円(同8.5%減)と2カ月連続で減少。基調判断は「持ち直している」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に下方修正された。

2月の内需は、非製造業(除く船舶・電力)が前月比10.9%減と、コロナ感染が拡大して緊急事態宣言が出された昨年4月以来の大幅な落ち込みとなった。12業種中10業種が減少。鉄道車両などが含まれる「運輸業・郵便業」は、コロナ禍でのテレワーク推進や外出自粛で鉄道利用が落ち込み、収入が減少したことなどが背景にあるとみられている。

ワクチン接種が遅れをとる中、目先、宿泊・飲食、運輸といったサービス業からの受注増は期待しづらい。SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは16日のリポートで「設備投資に関するデータは持ち直し方向というよりも、低位継続の方向に収れんしたようにも判断できる」と指摘。サービスセクターを中心にコロナ禍の下押しが継続しており、「国内設備投資の低迷がしばらく継続する可能性は高まっている」とした。

日銀が15日発表した地域経済報告(さくらレポート)では、製造業からソフトウェア投資や次世代技術の研究開発投資など、将来の競争力維持に向けた投資に前向きな声があった一方、非製造業からは「先行きの宿泊需要の見通しが立たないため、ホテルの新規建設計画は全て凍結した」(宿泊)、「コロナ禍以降の収益悪化により、キャッシュアウトを抑制すべく、必要最低限の設備投資案件以外は凍結している」(宿泊・飲食)といった声も出ていた。

SMBC日興の丸山氏は「設備投資の抑制が長期化すれば、生産性上昇率の低迷などを通じて、供給能力の拡大抑制から日本の潜在成長率を圧迫する可能性が高まる」と注意を促す。

<国際政治でも懸念材料が浮上>

2月の機械受注では、外需の受注額が1兆8000億円を超え、比較可能な2005年4月以降、過去最高の水準となった。数千億円単位の大型案件が1件あったことが大幅な押し上げ要因になったとはいえ、海外で設備投資の活発化が継続していることがうかがえた。

ただ、目先、国際政治関連で懸念材料も浮上している。日米首脳会談でバイデン政権の対中強硬姿勢に日本が同調し、日中関係に影を落とすというリスクだ。日米両国が3月に東京で開催した日米2プラス2では香港や新疆ウイグルでの人権状況に対する懸念を文書で表明。直後に中国外務省は日本を「戦略的属国」と激しく非難した経緯がある。

財務省の貿易統計によると、2020年の日本の対中輸出額は15兆0819億円(前年比2.7%増)、対米輸出額は12兆6122億円(同17.3%減)と、直近の輸出額は中国向けの方が大きくなっている。ただ、二者択一を迫られた場合、「日中貿易と日米貿易では、日米が止まる方が怖い」(政府関係者)との声も聞かれる。

株式市場では、このところ海運業や機械株の一部が軟調で、広く中国関連株が伸び悩んでいる。9日に好決算を発表した安川電機もさえない。大和証券の木野内英治チーフ・テクニカルアナリストは「日米首脳会談で菅義偉総理が対中強硬姿勢への同調を求められ、日中関係の悪化が懸念されている」と指摘する。

最悪の場合、「中国政府による日系企業の中国合弁の差し押さえや、日本から中国への輸出制限なども覚悟が必要」(別の政府関係者)との声もある。景気回復のけん引役となってきた外需が落ち込めば、設備投資に慎重な姿勢が強まる可能性がある。

杉山健太郎、取材協力:竹本能文 編集:石田仁志

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