[上海 8日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は対ドルで軟化した。中国と欧米との金融政策スタンスの格差拡大に関する懸念が背景にある。
中国人民銀行(中央銀行)は、この日の基準値(中間値)を1ドル=6.6634元に設定。前日基準値(6.6649元)より15ポイントの元高水準だった。
スポットの人民元は6.6670元で取引を開始し、中盤は6.6740元と、前日終値比28ポイントの元安。
中国の銀行トレーダーは「市場は欧州中央銀行(ECB)の引き締め軌道に注目するだろう」と指摘。ECBは9日の理事会で、資産買い入れの終了を確認する見通しだ。
金融政策の格差拡大は元の下押し圧力となり、資本流出リスクが高まるとみられる。
別のトレーダーは、当局が輸出部門を支援するためにある程度の元安を容認する可能性があると指摘した。
複数の米政府高官は対中関税を引き下げる可能性に言及しており、市場では影響を見極めようとする動きが出た。
ゴールドマン・サックスのアナリストはリポートで、関税引き下げが発表されれば元は上昇する可能性が高いが、発表後は米ドルの全体的な方向性や中国の成長見通しの方が重要となり、元の動きを決定付けるかもしれないと述べた。
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