(配信時間に応じて内容を更新します。) [9日 ロイター] - 東南アジア株式市場は大半が下落した。欧州中央銀行(ECB)の政策会合を 控え、利上げ見通しが世界の投資家心理を悪化させた。一方、原油価格の上昇がインフレと景気減速への懸 念を再びかき立てた。 ECBはこの日の政策会合で、国債などを買い入れる量的緩和策の月内での終了を決めると予想されて いる。米国の中銀に当たる米連邦準備制度理事会(FRB)は来週の政策会合で0.50%利上げするとの 見方が大勢だ。 メイバンクのアナリストは「ECBの利上げは予想されていないが、5月の(ユーロ圏)消費者物価指 数(上昇率)が過去最高を記録したことを踏まえ、予想より早期の0.25%利上げの可能性を排除すべき ではない」と述べた。 アジアの中銀も物価高騰を抑えるため、利上げを開始している。直近ではインド中銀が8日に0.50 %利上げした。一方タイ中銀は政策金利を据え置いたが、目先の利上げに道を開いた。 中国株式市場は5営業日ぶりに反落して引けた。上海市の一部区域が新型コロナウイルス対策のロック ダウン(都市封鎖)を再び開始したことを受け、グロース(成長)株が下げを主導した。 上海総合指数終値は24.8391ポイント(0.76%)安の3238.9543。 上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数終値は 44.138ポイント(1.05%)安の4175.675。 上海中心部の閔行区では感染リスク管理を名目に住民の外出を2日間禁止する措置が取られた。同区の 住民は200万人強に上る。当局は対話アプリ「微信(ウィーチャット)」で、11日に全住民を対象にP CR検査を行い、検査完了後に封鎖を解除すると表明した。 上海市は、新型コロナ対策のロックダウンで失った外国企業の信頼を回復しようと、外国企業と対話す る機会を数多く設け、いったん出国していた駐在員の再入国に関する規制を緩和するなど、さまざまな努力 を続けている。 中国税関総署が9日に公表した5月の貿易統計によると、ドル建て輸出は前年比16.9%増加し、伸 び率はアナリスト予想を上回った。輸入も4.1%増加し、3カ月ぶりに拡大した。コロナ規制の緩和で物 流の停滞が解消されたことが背景にある。 このところの上昇をけん引してきたグロース株は利食い売りで下落。半導体株は3.4% 安、新エネルギー企業株は1.6%安。 その他のセクターでは、観光、ヘルスケア、自動車がいずれも2 %超下げた。 半面、不動産開発は2%高、銀行は1.4%高、建設エンジニアリング<.CS I399995>は1.2%高。 中国の主要都市が今年実施した初回の土地入札では、不動産開発業者からの需要が総じて減り、価格が 上昇した都市数は少なくなった。一方、上海はロックダウンから脱したことにより販売が回復した。[nL4N2 XW1Q6] 香港市場も反落して終了した。 ハンセン指数終値は145.54ポイント(0.66%)安の2万1869.05。 ハンセン中国企業株指数(H株指数)終値は73.25ポイント(0.95%)安の7606 .35。 前日に4.8%急伸したハンセンテック指数は1.4%下落。 本土系ディベロッパー株は1.8%上昇した。 ソウル株式市場は小幅安。中国の貿易統計で輸出が予想を上回ったことで楽観ムードが流れたが、米イ ンフレ統計をめぐる懸念に打ち消された形となった。 総合株価指数(KOSPI)は一時0.74%下げ、取引時間中としては2週間ぶりの安値を付けた。 5月の中国貿易統計で、輸出は前年同月比2桁の伸びを記録。予想を大幅に上回り、中国経済にとって 明るい兆しとなった。 ただ、上海の一部地域でロックダウン(都市封鎖)が新たに始まったことを受けて、投資家心理は抑制 されたままだった。 週内に米消費者物価指数(CPI)統計を控えた警戒感もあった。サムスン証券のアナリストによれば 、CPIは上昇が加速するリスクがより高い。 ハイテク大手のサムスン電子が0.15%安。半導体大手SKハイニックスは 0.47%安。電池メーカーのLGエナジー・ソリューションは0.71%安。 外国人投資家は9464億ウォン(約7億5320万ドル)相当の売り越し。売越額は3月7日以来、 最大となった。 シドニー株式市場は反落し、約4週間ぶりの安値近くで引けた。オーストラリア準備銀行(RBA、中 央銀行)による20年超ぶりの大幅利上げに伴い、住宅市場をめぐる懸念が強まり、銀行株が一段安となっ た。 モーニングスターのシニア株式アナリストは「住宅所有者がどのように利上げに対応するかに注目が集 まっている」と述べた。 金融株指数は4日続落し2.1%安。四大銀行は2.3-3.7%下落。7日の豪中銀による 利上げで、住宅市場の急落に懸念が広がった。 資源株指数も下落率上位だった。中国の製鉄工場における収益性の低下が投資家心理を圧迫。 軟調な鉄鉱石価格を背景に2.4%安となった。BHPグループは2.4%安、リオ・ティント<R IO.AX>は1.2%安。 一方、エネルギー株指数は0.56%高。石油・ガス採掘大手ウッドサイド・エナジー・グル ープは1.9%上昇した。 終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード 中国 上海総合指数 3238.954 - 24.839 - 0.76 3259.489 3270.557 3223.475 <.SSEC 3 1 9 1 1 > 前営業日終値 3263.793 4 中国 CSI300 4175.675 -44.138 -1.05 4211.723 4227.448 4160.881 <.CSI3 指数 00> 前営業日終値 4219.812 香港 ハンセン指数 21869.05 -145.54 -0.66 22121.53 22142.82 21737.94 前営業日終値 22014.59 香港 ハンセン中国 7606.35 -73.25 -0.95 7729.55 7747.20 7542.43 <.HSCE 株指数 > 前営業日終値 7679.60 韓国 総合株価指数 2625.44 -0.71 -0.03 2618.92 2627.88 2606.61 <.KS11 > 前営業日終値 2626.15 台湾 加権指数 16621.34 -49.17 -0.29 16643.95 16643.95 16557.54 <.TWII > 前営業日終値 16670.51 豪 S&P/AS 7019.70 -101.40 -1.42 7121.10 7121.10 7019.70 <.AXJO X指数 > 前営業日終値 7121.10 シンガポ ST指数 3209.62 -16.18 -0.50 3219.12 3225.26 3198.38 ール 前営業日終値 3225.80 マレーシ 総合株価指数 1509.71 -14.15 -0.93 1523.31 1526.83 1508.00 <.KLSE ア > 前営業日終値 1523.86 インドネ 総合株価指数 7182.830 -10.484 -0.15 7186.892 7257.997 7174.82 <.JKSE シア > 前営業日終値 7193.314 フィリピ 総合株価指数 6758.59 -11.03 -0.16 6796.38 6796.38 6684.63 ン 前営業日終値 6769.62 ベトナム VN指数 1307.80 -0.11 -0.01 1307.91 1312.44 1300.85 前営業日終値 1307.91 タイ SET指数 1641.34 +4.45 +0.27 1637.53 1646.44 1636.20 <.SETI > 前営業日終値 1636.89 インド SENSEX 55320.28 +427.79 +0.78 54514.17 55366.84 54507.41 <.BSES 指数 N> 前営業日終値 54892.49 インド NSE指数 16478.10 +121.85 +0.74 16263.85 16492.80 16243.85 <.NSEI > 前営業日終値 16356.25 (リフィニティブデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります)
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