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ドル135円/株価急落:識者はこうみる

[東京 13日 ロイター] - 13日の東京市場では円安と株安が進んだ。米金融引き締めの加速が意識され、ドル/円は2002年2月27日以来、約20年4カ月ぶりに135円台に上昇した。東京株式市場では日経平均が一時800円を超す下落となった。市場の見方は以下の通り。

13日の東京市場では円安と株安が進んだ。米金融引き締めの加速が意識され、ドル/円は2002年2月27日以来、約20年4カ月ぶりに135円台に上昇した。東京株式市場では日経平均が一時800円を超す下落となった。写真は2021年4月撮影、米ウオール街のサイン(2022年 ロイター/Carlo Allegri)

●米金融引き締めのペースダウン期待が後退

<ソニーフィナンシャルグループ シニアエコノミスト 宮嶋貴之氏>

先週末の米株市場の弱い動きを受けて、週明けの日経平均も大幅下落となっている。先月下旬に、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めがペースダウンするのではないかという期待があったことや、米国の景気減速懸念を織り込み切ったことで、一時期は株価が持ち直していた。だが、5月米消費者物価指数(CPI)の強い結果を受けて、米金融引き締めのペースダウンへの期待感は後退してしまった。

今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えているが、FRBがさらにタカ派化するのではないかという懸念がある中で、FOMCを通過するまでは日本株市場も軟調な展開が続きやすいとみている。

また、足元では円安のメリットを感じにくく、(円安による)輸入物価の上昇や消費者マインドの悪化も懸念されている。円安基調が継続しているが、市場の関心が米金融政策に集まる現状では、これまでのように「円安は日本株にとってプラス」とはなりにくいのではないか。

●ドル目先は上値試す 中長期的には下落傾向に

<あおぞら銀行 チーフ・マーケット・ストラテジスト 諸我晃氏>

5月の米消費者物価指数(CPI)で強い伸びが示され、米金融引き締めペースの加速に対する思惑が強まり、米2年債利回りが急上昇した。日米の金融政策のスタンスの違いがより意識され、ドル/円を押し上げた。

投機筋主導でドル/円は上昇しているが、きょうについては実需によるドル買いも入り、135円に到達した。今後も米金利が上昇すれば、ドル/円の上昇を後押しし、目先は上値を試す展開になるとみられる。137円付近が意識されそうだ。

ただ、市場では米金融引き締めに対する織り込みが進んでいる。また、米金融引き締めの警戒感からリスク資産が急落しており、リスクオフの流れからドルの上値は抑えられやすい。また、世界的な金利上昇が進む中で、日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)は不自然な形となっており、金融政策修正の思惑も出てきやすい。中長期的にはドル/円は下落してくるとみている。

●ドル9月末までに147円へ、日銀新体制までトレンド継続

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

5月は米連邦準備理事会(FRB)高官から、9月以降の利上げを休止する可能性やインフレピークアウトがささやかれていた。しかし、欧州連合(EU)がロシア産原油禁輸を決定したことから、原油先物価格が上昇。調整売りに押されていたドル/円も126円で下げ止まり、米長期金利が上昇基調となったことから再びドル買いが強まった。

前週末発表の5月米消費者物価指数(CPI)は強い伸びとなり、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)ではインフレ抑制に向けて積極的に金融引き締めに向かうとの観測が高まった。

FRBは50ベーシスポイント(bp)の利上げを6月、7月、9月、12月と継続していくことが妥当。ただ、FRBはインフレ見通しを見誤り、金融引き締めの進め方も出遅れている。インフレ抑制に向けて、今後75bpや100bpの大幅利上げに追い込まれるとみられる。

 米長期金利は年内に3.5%に到達すると予想する。また、積極的な米金融引き締めで株売りなどリスク回避の動きが本格化すれば、現金化の動きが強まりドルは選好されやすい。ドル/円は9月末までに過去のチャートポイントである147円、23年3月末までに160円を目指すと予想している。

今後、日本でもインフレが高進するとみられ来年4月以降の新日銀総裁の下では金融政策が出口に向かうとの思惑が強まるだろうが、それまでは、円安トレンドの流れは終わらないとみている。

●米CPIで悲観ムード、金融引き締めによる景気減速懸念=三井住友DSAM

<三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト 市川雅浩氏>

米国の過度な金融引き締めが景気を冷え込ませるリスクが意識され、市場では悲観色が強まった。米国の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで引き締め加速の織り込みが進み、9月に0.75%の利上げという見方も出始めている。

目先では米連邦準備理事会(FRB)によるインフレ退治に焦点があたっており、原油価格やガソリン価格が高いうちは、米株の上値の重さは続きそうだ。日本株は、メジャーSQ(特別清算指数)算出があった先週は需給要因もあって上昇基調だったが、SQを通過してそれが剥落した。

再び米株の動きに沿った動きになりやすくなっており、上値は重そうだ。6月末にかけて日経平均は、2万6000円台前半から2万7000円台後半のレンジでの推移になるのではないか。

日本株は、為替の円安やインバウンド再開への期待、政局の安定、経済対策への思惑など、米国などに比べ前向きな要素もあり、日経平均で2万6000円は維持するのではないか。原油価格に落ち着きがみられれば、相場は明るい雰囲気を取り戻していくとみている。

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