[22日 ロイター] - 米金融・債券市場では、国債利回りが約 2週間ぶりの水準に低下した。米連邦準備理事会(FRB)によるイン フレ抑制に向けた積極的な金融引き締めが成長を鈍化させるという懸念 が強まった。 バイデン米大統領が高ガソリン価格を踏まえ、9月末までガソリン 税を停止するよう議会に要請すると表明したことを受け、原油価格が下 落したことも債券価格を支援した。 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は22日、FRBが4 0年ぶりの高水準で推移するインフレを引き下げることに「強くコミッ ト」していると表明。インフレ阻止のために景気後退を誘発しようとし ているのではなく、景気後退リスクがあっても物価抑制に全力を傾けて いるとした。 ジェフリーズのエコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は、パウエ ル議長が今後の動きが指標次第と述べるなど、前回の米連邦公開市場委 員会(FOMC)後の会見時よりも幾分ハト派的だったと指摘。「ハト 派寄りの超タカ派発言だ。必要なら何でもするという鉄壁の確約ではな かった」と述べた。 フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は、需要が自身の想定以 上に速いペースで鈍化している兆候が今後数週間で入手されるデータで 示されれば、7月のFOMCで50ベーシスポイント(bp)の利上げ を、さもなければより大幅な利上げを支持すると述べた。 シカゴ地区連銀のエバンズ総裁も、40年ぶりの高水準に達してい るインフレに対応するため、「今後数カ月で政策金利をさらに大幅に引 き上げる必要があると想定する」という認識を示した。 ロイターのエコノミスト調査によると、FRBは7月に再び75b pの利上げを実施し、9月には50bp引き上げる見通し。25bpへ の利上げ幅縮小は早くても11月と予想されている。 終盤の取引で、2年債利回りは3.056%に低下。1 4日には、2007年11月以来の高水準となる3.456%を付けて いた。 10年債利回りも3.156%に低下。14日には3 .498%と、11年4月以来の水準に上昇していた。 2年債と10年債の利回り格差は9bp。14日は 一時マイナス5bpと逆転していた。 米財務省が22日実施した140億ドルの20年債入札は平均的な 需要を集めた。最高落札利回りは3.488%、応札倍率は2.6倍。 23日には180億ドルの5年物物価連動国債(TIPS)の入札 が行われる。 米東部時間 価格 利回り コード 30年債(指標銘柄 16時17分 92*29.00 3.2475% ) 前営業日終値 90*12.00 3.3900% 10年債(指標銘柄 16時17分 97*19.00 3.1599% ) 前営業日終値 96*12.50 3.3050% 5年債(指標銘柄) 16時17分 97*08.00 3.2318% 前営業日終値 96*19.00 3.3790% 2年債(指標銘柄) 16時17分 98*30.63 3.0581% 前営業日終値 98*22.25 3.1980% 清算値 前日終値 コード Tボンド先物9月限 135*31.00 133*12.00 Tノート先物9月限 116*30.50 115*25.50 <ドル・スワップ・スプレッド> DOLLAR SWAP SPREADS Last (bps) Net Change (bps) U.S. 2-year dollar swap spread 39.25 -0.75 U.S. 3-year dollar swap spread 16.25 -0.50 U.S. 5-year dollar swap spread 3.75 -0.25 U.S. 10-year dollar swap spread 7.25 0.75 U.S. 30-year dollar swap spread -25.50 2.00 (ーからご覧ください)
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