[14日 ロイター] - ユーロ圏金融・債券市場では、イタリア 国債利回りが大幅上昇した。ドラギ首相が率いる連立政権が崩壊の危機 に瀕していることが背景。ドイツ国債とのスプレッドも1カ月ぶりの高 水準に達している。 連立を組むイタリアの左派政党「五つ星運動」はこの日、議会の信 任投票に参加しなかった。 これを受けて伊10年債利回り は19ベーシスポイン ト(bp)上昇し、2週間ぶりの高水準となる3.502%を記録した 。 一方、指標となる独10年債利回りは、終盤時点で4 bp上昇。独伊10年国債利回りのスプレッドは、前日 終盤の208bpから222bpに拡大した。 ラボバンクの金利戦略部門責任者、リチャード・マクガイア氏は、 イタリアの政局危機について「決して市場が好意的に受け止めているわ けではないが、政府崩壊の可能性を考えるとまだ抑制的だと言えるだろ う。立法府の効率は落ちるだろうが、市場はそんなことは気にしていな い」と指摘。来週の欧州中央銀行(ECB)理事会を控え、伊国債の空 売りが困難でなければ格差はもっと拡大していただろうと述べた。 21日のECB理事会では域内国債利回りの「分断化」抑制策が明 らかになると予想されている。 INGのシニア金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏も「 『分断化抑制策』に対する反対は、すでに欧州の一角で高まっている。 政権が崩壊しつつある時にそうした手段を考案しなければならず、(E CBにとって)状況はより難しい」と述べた。 独2年債利回りは8bps上昇し0.53%。一時、7 月4日以来の高水準となる0.637%を付ける場面があった。 ECBは25bpの利上げを示唆しているが、リフィニティブによ ると、市場が織り込む50bp利上げ確率は50%以上に高まった。 年末までの利上げ幅の予想は12日の137bpから165bpに 上昇。金利は2023年後半に約1.5%でピークに達するとみられて いる。12日時点では1.3%だった。 <金利・債券> 米東部時間12時2 分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 99.96 0.00 99.96 独連邦債2年物 109.53 -0.10 109.63 独連邦債5年物 125.58 -0.20 125.78 独連邦債10年 152.17 -0.45 152.62 物 独連邦債30年 172.90 +0.04 172.86 物 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 0.498 +0.047 0.465 独連邦債5年物 0.885 +0.040 0.773 独連邦債10年 1.181 +0.037 1.096 物 独連邦債30年 1.391 +0.006 1.383 物 (ーからご覧ください)
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