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伊藤忠、サハリン1の投資価値維持 純利益上振れも不透明感

[東京 5日 ロイター] - 伊藤忠商事の鉢村剛副社長・最高財務責任者(CFO)は5日の会見で、ロシアの石油・天然ガス開発事業「サハリン1」について、投資価値を見直していないことを明らかにした。

 8月5日、伊藤忠商事は、2022年4─6月期の連結純利益(国際会計基準)が前年同期比13.8%減の2306億円だったと発表した。写真は都内で2016年11月撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai )

2022年4─6月期の実績は、会社計画を上回ったものの、経済の先行き見通しは不透明という。特に米国に対して警戒感を示した。

同社は、22年3月末決算で、サハリン1を含めロシア向け投資残高を150億円減額したが、前期末から「経営判断を変えるほど状況は変わっていない」(鉢村CFO)とした。サハリン1へはサハリン石油ガス開発(SODECO)を通じて、伊藤忠が約16%出資する。投資残高は22年3月末の100億円から変えていない。

サハリン1に関しては、伊藤忠と同様にSODECOを通じて出資する丸紅が同日、ロシアのリスクプレミアムが上昇したとして、投資価値を80億円減額しており、対応が分かれた。

<景気の先行き、特に米国に警戒感>

22年4─6月期の連結純利益(国際会計基準)は、前年同期比13.8%減の2306億円だった。前期に一過性の利益が875億円あったことから減益となったが、会社計画を上回った。一過性利益を除いた基礎収益ベースでは前期の1800億円に対して、今期は2110億円と、四半期として過去最高を更新した。

資源、非資源分野ともに堅調に収益を伸ばした。豪州の鉄鉱石事業、提携先の中国中信集団(CITIC)、伊藤忠丸紅鉄鋼、ファミリーマートなどが好調で利益を押し上げた。ロシア関連ではリース関連事業で航空機にかかる減損損失を85億円計上した。

一方、鉢村CFOは、景気動向に対する不安感にも触れた。第1・四半期は国内の消費が回復しつつある局面でリベンジ消費などがみられたため、物価高の中で今後も「この消費が続くのか留意する必要がある」と語った。エネルギー価格上昇による製造業への影響やコロナ感染症の再拡大についても懸念を示した。

特に、北米景気は「先行きが弱含んでいるのを感じる」といい、在庫のレベルや契約期間など若干緩んだ部分もある、と話した。

23年3月通期は、連結純利益7000億円(前期比14.7%減)とする期初計画を据え置いた。IBESがまとめたアナリスト9人による連結純利益の予想平均値は7189億円。同社によると、現時点では通期計画に対して300億円程度強含んでいる。株主還元については、前向きに対応していくとした。

(浦中美穂)

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