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岸田首相、説明不十分との指摘「謙虚に受け止め」 安倍氏国葬で閉会中審査

[東京 8日 ロイター] - 衆院議院運営委員会は8日、安倍晋三元首相の国葬を巡り閉会中審査を開催し、岸田文雄首相は「説明が不十分であったことについては謙虚に受け止める」とした上で、丁寧な説明で国民の信頼回復に努めると述べた。野党側は旧統一教会と安倍氏との関係なども質問したが、首相側から新たな材料は示されなかった。

 9月8日、岸田文雄首相(写真)は、安倍晋三元首相の国葬をめぐり開催された衆院議院運営委員会・閉会中審査で、説明が不十分であったとの批判を謙虚に受け止めながら丁寧に説明すると述べた。写真は8月都内での代表撮影(2022年/ロイター)

<国葬の費用は妥当と首相>

立憲民主党の泉健太代表が、三権の長に諮らず国葬の実施を決定したのではないかと指摘したことに対し、首相は内閣法制局の判断を仰ぎながら決定したと説明。

また、国葬の費用についての盛山正仁委員(自民)の質問には、「過去のさまざまな行事との比較においても妥当」だと述べた。

安倍元首相の国葬は27日に日本武道館で行われる予定。政府は海外要人など約6000人の参列を想定し、費用は総額約16億6000万円となる見通しを公表している。

<安倍氏と旧統一教会の関係、「実体把握には限界」>

安倍元首相と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係について、岸田首相は「本人が亡くなられたこの時点において、実態を十分把握することには限界がある」と指摘した。同時に、自民党と旧統一教会の関係調査で「説明責任をしっかり果たしていこうと作業を進めている。国民の信頼回復に努めたい」と述べた。

共産党の塩川鉄也委員は、旧統一教会と安倍氏の関係があいまいなまま国葬を実施して良いのかと疑問を呈した。首相は「(安倍氏の)さまざまな功績を内外が評価しており、特に海外の評価にしっかり答える必要があり、国葬を行うべきと判断した」との答弁にとどめた。

塩川氏はまた、同性婚反対などの旧統一教会の教義が自民党の政策に影響を与えた可能性を指摘。首相は「政策決定が一部の団体にふりまわされることはない」と反論した。

岸田首相は、国葬に関する世論の賛否が割れていることを踏まえ、実施の意義や開催の法的根拠を説明し世論の理解を得るため、野党側の要求した閉会中審査に応じた。

冒頭で首相は国葬を開催する意義について、安倍氏の在任期間や功績などに加え「各国の弔意に礼節をもって答えるため」、「暴力に屈せず民主主義を守る決意を内外に示すため」など従来の見解を改めて説明した。

遠藤敬委員(維新)は、国葬決定の問題点は判断基準がないまま閣議決定したことだと指摘し基準の設定を求めたが、首相は「国内・国際情勢などさまざまな状況の変化で、(首相は)同じことをやっても評価は変わるため、首相経験者の葬儀の在り方はその時の内閣で総合的に勘案し、その都度ふさわしい形を判断することになる」と述べた。

<内閣には逆風、支持率の反転難しいとの見方>

閉会中審査の開催について、元自民党幹部職員で政治評論家の田村重信氏は「内閣に追い風でなく逆風が吹いている状態なので、(首相の出席と説明は)判断ミスではないか」と指摘する。

法政大学大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)は「新しい材料はなかった。国葬開催の理由について岸田首相の説明の軸足が民主主義を守ることに移っており、諸外国の要人招へいは理由としてトーンダウンしていた」と指摘。「内閣支持率の反転材料にはなかなかならないのではないか」との見方を示した。

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