[ロンドン 18日 ロイター] - ユーロ圏金融・債券市場 では、域内国債利回りが昨年12月の欧州中央銀行(ECB)理事会前 の水準に低下した。米経済指標を受け中銀の金融引き締めサイクルが終 わりに近づいているとの見方が広がった。 米労働省が18日発表した2022年12月の卸売物価指数(PP I、最終需要向け財・サービス)は前月比0.5%下落と市場予想(0 .1%下落)以上の落ち込みとなった。エネルギーと食品の価格が下落 した。 ECBが12月中旬に追加利上げを表明したことで債券売りが強ま り、ドイツ10年債利回りは2%前後から2.569%と 2011年7月以来の高水準まで上昇。その後、インフレ鈍化とともに 低下に転じた。 シティのアナリストは「ECBのチーフエコノミストであるレーン 専務理事が英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで 『会合ごと』のアプローチを強調したことで、ラガルド総裁が12月に 示した0.50%ポイントの追加利上げに向けたガイダンスに疑問が生 じていることが示された」と述べた。 ECB理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は、世界経済 フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)のパネルディスカッショ ンで、ECBの政策金利は夏までにピークに達する可能性があると述べ た。 金融市場では、ECBの主要政策金利が23年8月に3.2%でピ ークに達するとの見方が織り込まれている。12月時点では3.5%だ った。 ドイツ10年債利回りは12ベーシスポイント(bp )低下の1.972%と12月15日以来の低水準。 イタリア10年債利回りは19bp低下の3.68% と12月13日以来の低水準となった。 独伊10年債の利回り格差は22年4月以来の水準 に縮小した。 日銀は17―18日に開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維 持を全員一致で決めた。マイナス金利、10年物国債金利の誘導目標ゼ ロ%をいずれも維持した。 バンク・オブ・アメリカの欧州金利戦略部門責任者、スフィア・サ リム氏は「日銀が行動を起こさなかったことが安心感につながった」と 述べた。 <金利・債券> 米東部時間11時2 9分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 97.35 0.00 97.35 独連邦債2年物 106.08 +0.01 106.07 独連邦債5年物 118.69 +0.21 118.48 独連邦債10年 140.30 +1.04 139.26 物 独連邦債30年 152.96 +3.84 149.12 物 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 2.467 +0.008 2.461 独連邦債5年物 2.055 -0.020 2.074 独連邦債10年 2.022 -0.058 2.048 物 独連邦債30年 1.899 -0.092 1.996 物 (ーからご覧ください)
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