(社長の発言などを追加します。)
[東京 9日 ロイター] - 東京エレクトロンは9日、2023年3月期の連結営業利益見通しを従来の5460億円から5800億円(前年比3.2%減)に上方修正した。これまで保守的に見積もっていた記憶用半導体のメモリー需要の減速と対中輸出規制の影響を見直した。
ロジック半導体のファウンドリー(半導体受託製造)における納期や投資計画の前倒しも織り込んだ。
IBESがまとめたアナリスト20人のコンセンサス予想5581億円を上回った。
同時に発表した22年10─12月期の営業利益は、前年同期比26.4%減の1147億円だった。前四半期は過去最高を記録していた。
河合利樹社長はアナリスト向け決算説明会で、23年後半からDRAMやNAND形フラッシュメモリーから順次回復していくとした前回11月に示した見通しから変更はない、とした。「今はボトムだが、これから急速な立ち上げ需要に応えていく」と述べた。
24年以降については、高速の中央演算処理装置(CPU)に加え、省エネ電子デバイス、データセンターの買い替えなど、様々な需要が差し掛かってくるとの見通しを示した。
河合社長は「22年並みか、それ以上の成長率が期待できる」と話した。
バイデン米政権による半導体の対中輸出規制を受け、同社でも「中国向けの売上比率が若干下がっているのは事実」(川本弘執行役員)という。同比率は、10─12月期が22%と前年同期比で4ポイント、前四半期比で3ポイント低下した。
一方、日本政府が米国、オランダと協調して行う対中輸出規制について、川本氏は詳細は把握していないとし「今後正式な発表が日本政府からあれば、内容を確認し適切に対応していく」と述べた。
期末の配当予想は1株625円から731円に引き上げた。中間期の857円と合わせ、年間配当は1588円(前期実績は1403円)を予定する。
同社は同時に3月31日を基準日として4月1日付で1対3の株式分割を実施すると発表。株式分割の実施は1997年5月以来、約26年ぶりとなる。
(佐古田麻優) (*決算数値はをご覧ください。)
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」