[シドニー 17日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁は17日の議会証言で、インフレ率を目標レンジに戻すため、今後数カ月のうちに追加利上げを行う必要があるとの認識を改めて示した。
どこまで利上げが必要かは、世界経済や国内家計消費、インフレと労働市場の見通し次第だと説明した。
「現在入手可能な情報に基づき、理事会はインフレ率を目標に戻し高インフレを一時的なものにするために、今後数カ月でさらなる利上げが必要になると考えている」と述べた。
「インフレを適時に抑制できなければ将来的に金利がさらに上昇し、失業者が増えることになる」と警告した。
中銀は先週、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、10年ぶりの高水準となる3.35%とした。また、追加利上げが必要になるとの見通しを改めて示し、大方の予想よりもタカ派的なトーンを打ち出した。
市場が織り込む政策金利のピークは1カ月前の3.6%から4.1%程度に上昇し、あと3回の追加利上げを示唆する水準となった。
ロウ氏は証言で、特にインフレと賃金に対する期待が引き続き抑制された場合、豪経済がソフトランディング(軟着陸)に向かう可能性は依然としてあると指摘。
その上で「しかし、その狭い道から外れる可能性もある」と述べた。
市場で来年の利下げが織り込まれていることについては、中銀がインフレを克服し、賃金の伸びが鈍いままなら、利下げシナリオが妥当になるとの見方を示した。そうなるには複数の条件がそろう必要があるとした。
ロウ氏は、軟調だった1月の雇用統計は労働市場が依然として非常に逼迫しているという中銀の評価に影響しなかったと述べた。雇用統計が再び弱い内容となれば、再評価する可能性があるとも指摘した。
金利政策の道筋はあらかじめ固まっているわけではなく、毎月の理事会で「ジグソーパズルの全てのピースを見て組み立てている」と説明。
「前回の理事会でわれわれは(政策金利を)追加で引き上げる必要があると判断したが、そうすべきではないと示す情報が出れば迅速に調整する柔軟性をわれわれは持っている」と語った。
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