[東京 24日 ロイター] -
<三井住友トラスト・アセットマネジメント チーフストラテジスト 上野裕之氏>
植田日銀総裁候補の所信聴取で市場が注目していたのは、政府・日銀の共同声明の見直しについて発言があるか、大規模金融緩和の出口戦略や、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の見直しについて言及があるかだった。
植田氏は、政府・日銀が掲げる2%目標について「持続的・安定的に達成するには時間がかかる」と述べており、(金融政策を)現段階で大きく変えるという話はでなく、発言内容は無難な内容だったといえる。
全体として、市場が想定していた通りの内容だったことや、今の緩和環境が当面は続くという安心感から、株価も上昇したのだろう。いったん、重要イベント通過ということで、市場の注目点は今後また、米国の金融政策へと戻るのではないか。
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