[7日 ロイター] - ユーロ圏金融・債券市場では米連邦準備理
事会(FRB)のパウエル議長のタカ派的な発言を受け、短期債利回り
が大きく上昇した。
パウエル議長は半期に一度の議会証言で「最新の経済データは予想
以上に強く、最終的な金利水準が従来の予想よりも高くなる可能性が高
いことを示唆している」とし、「データ全体が引き締めペースの加速を
正当化すれば、利上げペースを加速させる用意がある」と発言。利上げ
幅をこれまで見込まれていた0.25%から拡大する可能性を示唆した
。
これを受け、金利見通しを敏感に反映しやすい独2年債利回り
は3.337%と、2008年10月以来の水準に上昇。
イタリア2年債利回りは3ベーシスポイント(bp)上
昇の3.888%と、12年以来の高水準を付けた。パウエル議長の証
言前は 一時10bp低下していた。
キルター・チェビオットの金利調査部門責任者、リチャード・カー
ター氏は「パウエル議長は必要ならより大きな幅での利上げが必要との
考えを改めて強調し、FRBには方針を転換する用意があるとの観測に
冷水を浴びせた」と指摘。欧州中央銀行(ECB)当局者からタカ派的
な発言が相次ぐ中での今回のパウエル議長の発言で、タカ派的な中央銀
行をに対する懸念が市場で一段と高まるとの見方を示した。
市場ではECBのターミナルレート(政策金利の最終到達点)見通
しを引き上げる動きが継続。野村は22年10月以来ECBのターミナ
ルレートは 3.50%との見方を維持していたが、4.25%に引き
上げた。シティグループはECBは7月までに政策金利を4%近辺に引
き上げるとの見方を示した。
野村は、ECBはいずれは数回の利下げを実施するとの見方を変え
ていないとしながらも、初回の利下げ時期の見通しを24年第4・四半
期に後ずれさせ、政策金利は25年半ばには2.75%に引き下げられ
るとの見方を示した。
独10年債利回りは3bp低下の2.7%。一時は8
bp低下した。
イタリア10年債利回りはほぼ横ばいの4.551%
。一時は11bp低下した。
独伊10年債利回り格差は184bpに拡大した。
<金利・債券>
米東部時間12時2
2分
*先物 清算値 前日比 前営業日 コード
終盤
3カ月物ユーロ 97.01 -0.04 97.05
独連邦債2年物 104.54 -0.06 104.60
独連邦債5年物 114.37 +0.03 114.34
独連邦債10年 132.07 +0.21 131.86
物
独連邦債30年 134.18 +0.54 133.64
物
*現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード
終盤
独連邦債2年物 3.313 +0.014 3.297
独連邦債5年物 2.834 -0.026 2.867
独連邦債10年 2.679 -0.033 2.714
物
独連邦債30年 2.589 -0.043 2.552
物
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