[7日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 続落して取引を終えた。米連邦準 備理事会(FRB)のパウエル議長のタカ派発言が嫌気され、世界的にリスク選好度の低 下に拍車が掛かった。一方、英ポンドが下落したため、輸出企業が多いFTSE100種 指数の下げ幅は限られた。 中型株で構成するFTSE250種指数は0.54%安。 パウエル議長は米上院銀行委員会で行った証言で、入手される情報「全体」がインフレ抑 制に向け一段の厳しい措置が必要であることを示唆すれば、より大幅な措置を講じる用意 があると表明した。これを受けて英ポンドはドルに対して一時、約2カ月ぶりの安値まで 値下がりした。 ポンド安を受けて、ドルで利益を得る企業は買われた。英製薬のアストラゼネカ<AZN .L>、英日用品のユニリーバがそれぞれ1.0%、0.3%上昇した。 中国の1─2月の貿易統計で輸入が大幅に減少し、FTSE350種鉱業株指数<.FT NMX551020>が2.87%下げたことも相場の重しとなった。 英エネルギーサービス企業のジョン・ウッド・グループは12.3%上昇。米 投資ファンド、アポロ・グローバル・マネジメントからの最新の買収提案を拒否すること を検討していると明らかにしたのが材料視されて買いが広がった。 英食品大手プレミアフーズは10.4%高。食料品事業で強い需要が見られ るとして、通期の利益見通しを引き上げたことが好感された。 ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 下落して取引を終えた。FRBのパウエル議長のタカ派発言を受 け、今月後半のFRBの連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%ポイントの利上げ を決定されるとの観測が強まったことが売りを誘った。 STOXX欧州600種不動産株指数は2.33%、テクノロジー株指数<. SX8P>は1.77%それぞれ下げた。資源株指数は2.51%安。 パウエル氏は上院銀行委員会での証言で、政策金利を従来の想定以上に引き上げる必 要がある可能性に言及。入手される情報によってインフレ抑制に向け一段の厳しい措置が 必要と示されれば、より強力な措置を講じる用意があると表明した。 プルリミ・ウェルスの最高投資責任者(CIO)、パトリック・アームストロング氏 は「市場は金利の見通しを見直している」と指摘し、「今年に入って世界的に経済はかな り回復力を示している。成長にとっては良いニュースだが、全ての中央銀行が直面してい るインフレ圧力には悪いニュースだ」と語った。 欧州中央銀行(ECB)の調査によると、1月のユーロ圏消費者のインフレ期待は低 下したが、賃金上昇率の見通しは上振れが続いている。賃金上昇がインフレ抑制の妨げに なるとの懸念が強まる可能性がある。 ドイツの食材宅配サービス会社ハローフレッシュは10.2%と急落。2 023年通期の利益見通しが予想を下回ったのが嫌気された。 一方、ドイツの食品加工機器メーカーGEAグループは3.7%高。22 年通期決算の利益が予想を上回ったことが好感された。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> 短期債利回りが大きく上昇した。 パウエル議長は半期に一度の議会証言で「最新の経済データは予想以上に強く、最終 的な金利水準が従来の予想よりも高くなる可能性が高いことを示唆している」とし、「デ ータ全体が引き締めペースの加速を正当化すれば、利上げペースを加速させる用意がある 」と発言。利上げ幅をこれまで見込まれていた0.25%から拡大する可能性を示唆した 。 これを受け、金利見通しを敏感に反映しやすい独2年債利回りは3.33 7%と、2008年10月以来の水準に上昇。 イタリア2年債利回りは3ベーシスポイント(bp)上昇の3.888% と、12年以来の高水準を付けた。パウエル議長の証言前は 一時10bp低下していた 。 キルター・チェビオットの金利調査部門責任者、リチャード・カーター氏は「パウエ ル議長は必要ならより大きな幅での利上げが必要との考えを改めて強調し、FRBには方 針を転換する用意があるとの観測に冷水を浴びせた」と指摘。欧州中央銀行(ECB)当 局者からタカ派的な発言が相次ぐ中での今回のパウエル議長の発言で、タカ派的な中央銀 行をに対する懸念が市場で一段と高まるとの見方を示した。 市場ではECBのターミナルレート(政策金利の最終到達点)見通しを引き上げる動 きが継続。野村は22年10月以来ECBのターミナルレートは 3.50%との見方を 維持していたが、4.25%に引き上げた。シティグループはECBは7月までに政策金 利を4%近辺に引き上げるとの見方を示した。 野村は、ECBはいずれは数回の利下げを実施するとの見方を変えていないとしなが らも、初回の利下げ時期の見通しを24年第4・四半期に後ずれさせ、政策金利は25年 半ばには2.75%に引き下げられるとの見方を示した。 独10年債利回りは3bp低下の2.7%。一時は8bp低下した。 イタリア10年債利回りはほぼ横ばいの4.551%。一時は11bp 低下した。 独伊10年債利回り格差は184bpに拡大した。 ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終盤 アジア市場 コード 終盤 ユーロ/ドル 1.0572 1.0686 ドル/円 136.90 135.74 ユーロ/円 144.74 145.05 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600種 460.60 -3.58 -0.77 464.18 FTSEユーロファースト 1816.00 -14.05 -0.77 1830.05 300種 ユーロSTOXX50種 4278.96 -34.82 -0.81 4313.78 FTSE100種 7919.48 -10.31 -0.13 7929.79 クセトラDAX 15559.53 -94.05 -0.60 15653.58 CAC40種 7339.27 -33.94 -0.46 7373.21 <金現物> 午後 コード 値決め 1849.05 <GOLD/EU1 > <金利・債券> 米東部時間13時26分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 97.01 -0.04 97.05 独連邦債2年物 104.54 -0.06 104.60 独連邦債5年物 114.37 +0.03 114.34 独連邦債10年物 132.07 +0.21 131.86 独連邦債30年物 134.18 +0.54 133.64 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 3.332 +0.013 3.297 独連邦債5年物 2.848 -0.025 2.867 独連邦債10年物 2.691 -0.026 2.714 独連邦債30年物 2.602 -0.031 2.552
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