[上海 13日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元は対ドルで約2週間ぶり高値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが減速するとの観測を背景にドルが下落している。
2月の米雇用統計が強弱入り混じった数字となったことでドルは売られた。また、米当局はシリコンバレー銀行経営破綻が金融セクターなどに影響しないよう対応に動き、こうした背景から市場ではFRBによる積極的な利上げ観測が後退している。
ゴールドマン・サックスのアナリストは、最近の銀行セクターのストレスに鑑み、3月以降の先行きがかなり不透明だとして、今月21─22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げはもはや予想していないと表明した。
人民銀行は取引開始に先立ち、基準値を6.9375元に設定。前営業日基準値(6.9655元)よりも280ポイント(0.4%)元高となった。
国内スポット市場の人民元は1ドル=6.9088元で始まった後、一時3月1日以来の高値となる6.8662元を付けた。
中盤時点では6.8745元と前営業日終値比450ポイントの元高で推移している。
みずほ銀行のアジア担当のチーフ為替ストラテジスト、ケン・チュン氏は、7元を超えて人民元が下落する圧力は緩和されたとし、「全般的なリスクオンのセンチメントに加え、FRBの3月利上げ幅を巡る市場予測は大きく変わった」と指摘。人民銀行の総裁留任も決まったことで、中国の金融政策は安定を維持するとの見方を示した。
オフショア人民元は6.8729元となっている。
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