[13日 ロイター] - ユーロ圏金融・債券市場では、域内国債
利回りが低下した。米シリコンバレー銀行(SVB)破綻に伴い安全資
産に資金が流入した。市場では欧州中央銀行(ECB)が16日の理事
会で利上げ幅を縮小するとの見方に傾いている。
SVB破綻がより広範な金融危機を引き起こす恐れがあったため、
米当局は12日に銀行システムの信頼性を高める緊急措置を発動。当局
はSVBの顧客は13日から預金にアクセスできるようになり、銀行が
緊急資金にアクセスできるようにするための新ファシリティーを設ける
と発表した。
SVB破綻を受け、欧州および世界の債券市場に資金が流入。ドイ
ツ2年債利回りは34ベーシスポイント(bp)低下の2.
746%と、1日の値下がり幅としては1995年以降で最大となった
。先週の水準は3.3%を超えていた。
16日のECB理事会に対する期待も大幅に変化。先週は0.50
%ポイントの利上げがほぼ確実視されていたが、13日には0.25%
ポイントの利上げの方がより可能性が高いとの見方が広がった。
ナットウエスト・マーケッツの欧州金利戦略責任者、ジャイルズ・
ゲイル氏は「(投資家は)次の脆弱性が何であるかを模索し、可能な限
り早期にリスクを軽減しようとしている」と指摘。資金の逃避先として
デュレーションが低く高格付けの債券が選択肢の一つになるとした。
ゴールドマン・サックスのアナリストは12日、最近の銀行セクタ
ーのストレスに鑑み、3月以降の先行きがかなり不透明だとして、今月
21─22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げはもはや
予想していないと表明した。
13日の短期金融市場が織り込む、FRBが金利据え置きを決定す
る確率は約20%、0.25%ポイントの利上げ確率は80%となって
いる。
先週は0.50%ポイントの利上げ確率が最も高かった。
安全資産への逃避は長期債にもおよび、ドイツ10年債利回り
は23bp低下の2.228%。序盤には2.168%と2月
3日以来の低水準を付けた。
イタリア10年債利回りは16bp低下し4.156
%。
米国株は上昇したものの、欧州株は大幅安。欧州の銀行株指数<.SX
7P>は前週末10日の3.8%に続き、5%下げた。
関係者によると、SVB破綻後、ECBは13日に銀行監督委員会
の緊急会合を予定していないという。
一方で、金利上昇が続くとの声もある。
コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ライナー・グンターマン氏は
「失業率がわずかに上昇し、賃金の伸びがやや鈍化しても、労働市場は
依然逼迫しているため、今回の事態がFRBの来週の0.50%ポイン
トの利上げを妨げるとは想定していない」と述べた。
<金利・債券>
米東部時間12時4
1分
*先物 清算値 前日比 前営業日 コード
終盤
3カ月物ユーロ 97.04 +0.01 97.03
独連邦債2年物 105.77 +0.76 105.01
独連邦債5年物 118.00 +1.54 116.46
独連邦債10年 136.20 +2.47 133.73
物
独連邦債30年 143.36 +4.74 138.62
物
*現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード
終盤
独連邦債2年物 2.687 -0.354 3.043
独連邦債5年物 2.330 -0.261 2.594
独連邦債10年 2.264 -0.203 2.467
物
独連邦債30年 2.270 -0.160 2.356
物
(ーからご覧ください)私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」