[シドニー 16日 ロイター] - オセアニア外国為替市場では、豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルが軟調に推移。世界的な金融システム不安でリスク資産を回避する動きとなっている。
スイス規制当局は15日、経営不安が強まっている金融大手クレディ・スイス(CS)の株価が30%急落したことを受け、同社に流動性を供給すると表明し、異例の対応を取った。
世界的な金融市場の動揺を受けて、投資家はオーストラリア準備銀行(中央銀行)が追加利上げを行う可能性はなくなったと想定、10カ月におよんだ利上げが停止するとの観測が広がった。
次回4月の理事会で25ベーシスポイント(bp)の利下げをするとの見方も浮上、スワップ・先物市場はこの確率を約7%と織り込んだ。1カ月前に投資家は政策金利のピークを4.10%と見込んでいたが、8月までに3.35%に低下するとの見方に変わった。
豪3年債利回りは2.855%と、昨年8月以来の水準に低下。4営業日で57bp低下した。
豪ドル/米ドルは0.6620米ドルに下落。前日の海外市場で0.9%下げていた。
NZドル/米ドルは0.6167米ドルに下落。この日発表された同国の2022年第4・四半期国内総生産(GDP)が前期比0.6%減と、マイナス成長に転じたことも相場に響いた。
NZ準備銀行(中銀)の4月の金融政策決定会合について、市場が織り込む25bp利上げの確率は50%となり、1週間前の100%から急低下。政策金利の最終到達点は5.10%と見込まれ、中銀の予想である5.50%を下回っている。
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