[東京 16日 ロイター] -
<ソニーフィナンシャルグループ シニアエコノミスト 渡辺浩志氏>
米銀の経営破綻を発端に金融不安が欧州にも広がり、投資家心理が悪化している。来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えてブラックアウト期間に入る中、米連邦準備理事会(FRB)メンバーのスタンスが見えず、日本株市場でも警戒感が強まっている。少なくともFOMCが開かれるまでの数日は、積極的な買いは入りづらく、日経平均は上値の重い展開が続きそうだ。
金融政策の先行きが見通しづらくなっているが、来週のFOMCでFRBは0.25%の利上げを継続すると予想している。FRBがインフレ抑制を優先してタカ派的な姿勢を維持すれば、株式市場には一段と下押し圧力がかかりやすく、日経平均は節目の2万6000円を割り込むリスクがあるだろう。一方、金融不安を受けてFRBの姿勢がハト派化すれば、市場に安心感をもたらし上値追いとなりそうだ。
物色動向としては、金融不安が漂う中では金融株は望ましい投資対象ではないため、引き続き銀行株や保険株は軟調に推移するとみている。
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