[4日 ロイター] - ユーロ圏金融・債券市場では、国債利 回りが低下した。欧州中央銀行(ECB)が利上げを決定したものの、 利上げ幅は0.25%ポイントに縮小され、引き締めサイクルは終了に 近づいているとの見方が裏付けられた。 金利見通しを反映しやすい独2年債利回りは13ベーシ スポイント(bp)低下の2.55%。独10年債利回り は5.5bp低下の2.195%。 独2年と独10年債の利回り格差は33.1bpと、 約4週間ぶりの水準に縮小した。 多くのアナリストは、ECBは引き締めサイクルの微調整段階に入 ったとの見方を示している。 アリアンツ・グローバル・インベスターズのシニア債券ストラテジ スト、マッシミリアーノ・マクシア氏は「6月の理事会でも0.25% ポイントの利上げが決定されると予想している」としながらも、「5月 のインフレデータが予想以上に強くない限り、ECBは米連邦準備理事 会(FRB)のように(利上げ停止の可能性を示す)メッセージを発す る可能性がある」と述べた。 FRBは3日までの2日間の日程で開いた連邦公開市場委員会(F OMC)で、0.25%ポイントの利上げを決定すると同時に、利上げ 停止の可能性を示唆した。 ECBはこの日の理事会で、資産購入プログラム(APP)の下で 買い入れた債券について満期償還資金の再投資を7月に停止することも 決定。量的緩和策で膨らんだバランスシートの縮小に向け新たな一歩を 踏み出した。 エイゴン・アセット・マネジメントの金利担当責任者、サンドラ・ ホールズワース氏は、ECBのバランスシートは月平均で約250億ユ ーロ縮小するとの見方を示している。 イタリア10年債利回りは0.5bp低下の4.12 %。独10年債との利回り格差は191bpに拡大した。 ウニクレディトの金利ストラテジスト、フランチェスコ・マリア・ ディ・ベッラ氏は「ユーロ圏では年内に予想される債券純供給の約70 %がすでに割り当てられているため、今回の量的引き締め(QT)の決 定で利回り水準のほか、中核国と周辺国の利回り格差が大きな影響を受 けることはない」との見方を示した。 <金利・債券> 米東部時間12時1 分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 96.70 +0.06 96.64 独連邦債2年物 106.01 +0.26 105.75 独連邦債5年物 118.93 +0.64 118.29 独連邦債10年 136.96 +0.66 136.30 物 独連邦債30年 141.28 +0.14 141.14 物 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 2.507 -0.178 2.684 独連邦債5年物 2.116 -0.138 2.253 独連邦債10年 2.188 -0.065 2.253 物 独連邦債30年 2.374 +0.004 2.370 物 (ーからご覧ください)
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