(総裁発言などを追加しました)
[ソウル 25日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は25日、3会合連続で政策金利の据え置きを決定したほか、今年の経済成長率見通しを下方修正した。一方で、金融引き締めが終わっていない可能性も示唆し、債券利回りが急上昇した。
政策金利を3.50%に据え置くことを全会一致で決定した。ロイター調査では、エコノミスト40人全員が据え置きを予想していた。
中銀は、今年の経済成長率見通しを1.4%とし、従来予想の1.6%を引き下げた。インフレ率の見通しは3.5%で据え置いた。
李昌ヨン総裁は、今後の政策スタンスについてタカ派的な発言をした。記者団に「(理事会は)インフレやその他データに基づいて決定を下す。二度と利上げしないとは考えない方が良い」と表明。豪準備銀行(RBA)が今月、予想外の利上げを実施したことに触れた。
発言を受けて、利上げは打ち止めで年内に利下げに転じるとの観測が後退し、債券利回りが急上昇した。3年債利回りは一時12.5ベーシスポイント(bp)上昇して3.496%、10年債利回りは9.7bp上昇して3.597%となった。
教保証券の債券アナリスト、Paik Yoon-min氏は「総裁のコメントの一部は確かにタカ派的だが、全体の状況はさほど変わっていない。年内の利下げ開始予想を見直すほどではない」と話した。
きょうの政策会合前に実施したロイター調査では、エコノミストの多くが次の金利変更について、今年第4・四半期に利下げが行われると見込んでいた。
韓国中銀は他の主要中銀に先駆け2021年8月に利上げを開始し、今年1月まで合計300bp引き上げた。
インフレ率は依然として中銀目標の2%を大きく上回っているが、昨年7月にピークに達して以来減速しており、圧力は持続的に緩んでいるとの見方が広がっている。
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