[北京 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が今月、一部の銀行に対し融資のペースを落とすよう要請したことが複数の銀行関係者の話で分かった。1月の新規銀行融資が過去最高に急増したことを受け、リスクを抑制するためという。
関係者によると、人民銀は窓口指導を通じて一部の銀行に「適切な伸び率」で融資を行うよう求めた。2月の新規融資の規模を抑制し、過度に急速な新規融資の実施を回避するよう指示したという。
1月の新規融資は前月から大幅に増えて4兆9000億元と過去最高を更新した。
ただ伸びの主な要因は政府が支援するインフラ事業で、企業の借り入れ需要は依然弱い。
「銀行がむやみに融資規模を拡大すれば、それを維持することはできない」と関係者の一人は述べた。
銀行は、景気回復支援に向け与信の拡大を求められてきた。しかし融資が悪用されるケースも出ている。一例は、個人が低利で借り入れた資金を住宅ローンの返済に回すことで、これは当局が禁止している。
銀行当局は17日、違法な融資などがあったとして銀行5行に合計3億8770万元(5630万ドル)の罰金および不正利得の没収を科したと発表した。
別の関係者によると、人民銀行は1月に一部大手国有銀行の本店に対し、同月の融資の一部について記帳処理を翌月以降にするよう要請する通知を出した。融資統計が突出するのを防ぐのが狙いという。
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