[6日 ロイター] 米アップルAAPL.Oのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、同社のパソコン(PC)「Mac(マック)」の生産の一部を来年、中国から米国に移管する計画を明らかにした。
6日発行のブルームバーグ・ビジネスウィーク誌にインタビューが掲載された。
クックCEOはまた、生産移管にあたり、アップルが米国内で1億ドル超の資金を投じる方針を示した。
クックCEOはマックのどの製品を米国で生産するかには言及しなかったが、最終的な組み立て作業だけでなく、アップルと提携先企業は部品の大半もしくは全てを生産することになるとみられている。
CEOは「アップルが自社で生産を手掛けるというわけではない。関係者と協力し、投資を行っていく」と述べた。
また、6日放映予定のNBCテレビ「ロック・センター」番組とのインタビューでは、既存の「Mac」の特定機種について、米国のみでの生産になると語った。
アップルはインタビュー以外の内容に関するコメントを控えた。
クロス・リサーチのアナリスト、シャノン・クロス氏は一部の部品が既に米国で生産されているため、アップルが生産移管を計画していることは理にかなっていると指摘した。
米国の製造業者に中国への生産移管を促してきた重要な要因は労働コストの低さだが、中国では製造業の拠点が集まる沿岸部を中心に賃金やその他のコストが急上昇している。
今回のアップルの生産移管は米国の製造業に恩恵をもたらすことが考えられるが、クロス氏はその他の利点として、知的所有権が侵害されるリスクを低減することができると指摘した。
クックCEOは以前、米国への生産移管を進めたい考えを示していたが、米国での製造業関連技術の衰退により、それが厳しくなっているとも指摘していた。