[ベイルート 28日 ロイター] デモ弾圧停止を求めるアラブ連盟の監視団は28日、最も激しい弾圧が行われているとされるシリア第3の都市ホムスでの調査2日目を迎えたが、怒りをあらわにする群衆や銃撃などに直面している。
なかには、監視団が到着しても戦闘がやまないことに対し、不満を募らせる者もいる。ある活動家は監視団に対し、「あなたたち(監視団)がホムスに到着した昨日にも15人が死んでいる。何も変わっていない」と怒りをあらわにした。
監視団を率いるダビ将軍はこれより先、1日目の調査を終えて「何も恐ろしいことは見当たらなかった」とコメント。これに対し、フランス政府はこのように判断するのは時期尚早だとし、監視団が制限なく調査できるようシリアに促した。
一方、国営テレビは同日、シリア政府が拘束していた755人を釈放したと伝えた。釈放されたのは「シリア人の血に手が染まっていない」者たちだという。いまだ数千人が拘束されているとみられる。人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、シリア政府が数百人の拘束者を監視団が入ることのできない軍事施設に移送したとして、同政府を非難している。
監視団は29日、中部ハマや南部ダルアー、北西部イドリブにもチームを派遣する。
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