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アングル:大統領再選で政治勢力分布に変化なし、経済状況は逆風

[ワシントン 7日 ロイター] 米オバマ大統領の再選が確定した。大統領は直ちに増税と歳出削減による「財政の崖」問題への対応を迫られる。長期的に持続可能な連邦財政に向けた調整も求められるが、議会は上院が民主党、下院は共和党が制する現状に変化はなく、難航が予想される。

11月6日、米大統領選挙はオバマ大統領が共和党のロムニー候補を制したが、ワシントンでの勢力分布に変化はない見通し。写真は2月撮影(2012年 ロイター/Kevin Lamarque)

以下は今回の大統領・議会選を受けたポイント分析。

◎ワシントンでの勢力分布

政治的に変化はない見通し。下院は引き続き共和党が制する一方、上院は現状どおりオバマ大統領の民主党が多数派となる。ただ上下両院の議会選の結果、両党の穏健派は減少する見込み。

両院のねじれが続くため、税制や歳出をはじめ多くの面で議会審議が暗礁に乗り上げると予想され、所定の法案可決も困難になる可能性がある。

プリンストン大学のジュリアン・ゼルツァー教授(歴史)は「党派性が一段と強まる」と予想している。

◎国内経済の選挙への影響

国内経済は引き続き回復期にある。過去の例からみて、選挙の年に経済が緩やかながらも拡大している場合、大統領は再選されており、今回も踏襲した。

オバマ大統領は、景気後退の要因はブッシュ前大統領にあるとの有権者の判断にも支えられた。

◎財政の崖

オバマ大統領は1期目に共和党との間で財政赤字削減で合意できなかったが、2期目も引き続き困難が予想される。

大統領は富裕層への増税と国防予算削減で10年間で4兆ドル以上の赤字削減を訴えているが、共和党には不評だ。赤字削減策が完全に実施されれば2013年の経済成長率を押し下げることになり、エコノミストの一部はこの影響を和らげるために、家計の税負担軽減が必要と指摘している。

◎オバマ大統領が直面する景気の現状と雇用問題

国内経済は依然2007―09年の景気後退(リセッション)からの回復途上にあり、。過去2年の経済成長率は平均で2.1%に過ぎず、景気後退期に失われた870万人の雇用のうち450万人しか取り戻していない。2300万人が失業あるいは潜在失業者で、多くがパートタイム職しか得ていない。

大統領が議会と財政赤字削減策で合意したとしても、経済成長率を0.2―0.3%程度押し上げるだけで、景気後退期の多大な富の喪失という、景気押し下げの主因への対策が必要だ。

2007年から10年の間に住宅価格が下落するなか、家計資産額(中央値)は38%と記録的に減少しており、住宅の価値を上回る住宅ローン残高を抱えている人は1100万人に上る。

景気後退期に失われた雇用のうち、建設や、金融などの住宅関連の職種は回復が遅れており、将来的に熟練労働者の不足につながる可能性がある。

メジロウ・ファイナンシャル(シカゴ)の副首席エコノミスト、アドルフォ・ローレンティ氏は、「失業の大部分は構造的なものと判断しており、今後問題になるだろう。景気が力強くなっても失業率を7%以下に引き下げるのは難しくなると思われる」と述べた。

欧州債務危機や中国の景気減速などによる需要減退も打撃となる。ローレンティ氏は「経済成長への健全な世界的な推進役がいないという状況にある。これが問題であり、オバマ大統領も容易には解決できない」と述べた。

◎共和党

共和党の大統領候補は前回に引き続き中南米(ヒスパニック)系の有権者から3分の1も支持を得られなかった。選挙人に占めるヒスパニック系の割合が増えていることを踏まえると、今後に課題を残した形。

共和党の主流は、保守的な地域を地盤とする議員が多い下院となった。

ブルッキングス研究所のフェロー、ジョン・ハダク氏は、次の大統領選で共和党は一段と保守的な候補を選んだほうがよいとの声が党内で高まる可能性を指摘する。「右派に軸足を移すだろう。穏健派を候補にしなければよかったとの声が強まる」と述べた。

◎オハイオ州はオバマ大統領制する

激戦州となったオハイオ州はオバマ大統領が制した。自動車が主要産業である同州で、オバマ大統領による2009年のゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラー救済が影響したとみられ、白人男性からも一定の支持を得た。

ロイター/イプソスの出口調査によると、白人男性の得票でオバマ大統領は全国平均では20%ポイントの差で敗れているが、オハイオ州ではその差は13%ポイントだった。

*見出しを修正して再送します。

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