for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

アングル:中原・元日銀審議委員が追加緩和は「来年」と提唱

[東京 14日 ロイター] -元日銀審議委員の中原伸之氏が、日銀の追加緩和は来年の実施が望ましいと提唱している。現行の異次元緩和が予定している270兆円のマネタリーベース(資金供給量)達成を見極めた上で、さらに100兆円以上の増額を打ち出すべきという内容だ。

4月14日、元日銀審議委員の中原伸之氏が、日銀の追加緩和は来年の実施が望ましいと提唱している。写真は日銀ビル。2012年11月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

消費増税による景気の下振れが大きければ前倒しの実施も選択肢だが、市場にくすぶる早期追加緩和観測には否定的な見解を示した。

中原氏は今月2日に安倍晋三首相と官邸で会談しており、首相の経済政策に一定の影響力を持つアドバイザーとして知られている。同氏の見解を安倍首相が参考にする展開になれば、追加緩和の時期が多くの市場参加者が想定する今年6、7月ごろから大幅に先送りされる可能性もある。

中原氏は14日、ロイターの取材に応じ、金融緩和は効果に一定の時間がかかるため、始めてから1年間経過しただけの異次元緩和に対し、追加緩和を期待するのは早過ぎると指摘。「市場が勝手に追加緩和を期待して、勝手に失望している」と述べた。

日銀は3月以降、人手不足など労働需給のひっ迫を背景に、輸出が期待ほど伸びなくとも2%の物価目標は達成可能との発信を強めている。

今月8日には黒田総裁が「目標達成できると確信」、「追加緩和について現時点では考えていない」と明言し、市場にくすぶる追加緩和期待が大きく後退した経緯がある。

中原氏は、時々の経済情勢に応じ金融政策を機動的に発動するのが望ましいとし、「とりあえず現行の(異次元)緩和の効果を見極め、その後に日本版QE2(量的緩和政策第2弾)やQE3を順次打ち出せばよい」と述べた。

そのうえで「米国も2008年以降、足かけ5年にわたり3回の量的緩和政策を続けた。日本も5─6年、量的緩和を続けるべき」との見解を示した。

また、追加緩和の手段としては新たに買い入れる資産の2割程度を米国債など外債にするのも選択肢と指摘した。為替介入と同じ効果を持つ外債購入に対して、海外から批判を招きかねないとの指摘も政策当局や学識経験者の中にあるが「米国は金融緩和縮小を進めており、(米国債を買い入れれば)米国から反対はないだろう」との見通しを示した。

為替相場については当面、ドル/円が100-105円のレンジで推移し、追加緩和に踏み切れば105─110円と円安方向の水準に動くとの見通しを示した。

もっとも4月から消費税率を8%に引き上げ、それに伴う景気下押しが大きければ、早期追加緩和が必要との考えも併せて示した。

また、中国経済が急激な変調を来せば、原油価格が現在の1バレル100ドル強から70ドル程度まで急落し、世界的なデフレ要因にもなりうるとの見方も展開した。

竹本能文 編集:田巻一彦

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up