サクソバンク証券は、自社レートの配信力と約定率の優位性把握を目的に、FX業界の動向調査で定評のある矢野経済研究所(本社・東京)に調査を依頼、その結果を公表した。
<約定率が100%だったのは>
この調査は、値動きが激しくなる3月の米国雇用統計発表時(日本時間2018年3月10日22時30分前後)に合わせて行われた。調査対象は、ナロースプレッドでレートを提供している有力FX会社4社。調査の方法はマーケット注文(ストリーミング)で、1取引あたり10万通貨単位の米ドル/円、ユーロ/米ドルを、買(新規)⇒売(決済)、売(新規)⇒買(決済)の両建てで繰り返すというもの。スリッページは1pipに設定し、各社共、ペアごとに66回ずつ取引を行い、雇用統計の指標発表時を基準に、発表前30秒、発表後の3分間と6分間に区分し、発表前30秒と発表後3分間は約定率と配信レートを、発表前30秒と発表後3分間、6分間は約定率を調査した。
その結果、すべての取引で約定率が100%だったのはサクソバンク証券1社だけだった。
また、雇用統計の指標が発表される直前直後の実質取引コストについても、サクソバンク証券がもっとも低いという結果となった。
<投資家にとって重要なのは>
FX取引における米ドル/円のスプレッドは「0.3銭固定制」を採用するFX会社が多いが、サクソバンク証券では変動制スプレッドを採用している。「業者間取引と同様の、透明で最良のレートを個人投資家に提供することを徹底しているからです」と、同社の代表取締役社長・伊澤フランシスコ氏はその理由を語る。
変動制スプレッドを採用しているサクソバンク証券の配信レートは、常に変動するが、米ドル/円の平均スプレッドは
0.3銭程度なので、平常時の取引では、固定制を採用するFX会社とほぼ同水準だ。しかし、投資家にとって最も重要なのは、相場急変時の限られた「瞬間」だ。
1. 固定制スプレッドを採用するFX会社の「固定」は平常時のもので、必ず「原則固定(例外あり)」といった但し書きが加えられている。実際、今回の調査でも指標発表30秒前には、米ドル/円で最大14.9pip(0.3pip固定制のA社)、ユーロ/米ドルで最大19.8pip(0.4pip固定制のA社)の乖離が見られた。一方、サクソバンク証券のスプレッドは、米ドル/円で最大で3.4pip、ユーロ/米ドルでも最大5.2pipとなり、全取引の平均スプレッドは両ペア共に4社中、最も狭く、さらにECNのスプレッドと比較しても優位性が認められる結果となった。
固定制スプレッドとは95%以上は固定制だが残りの数%の時間帯は変動するということ。投資家が最も頻繁に取引を行う大事な数分間が、その数%の時間帯になる可能性が高いということだ。
また、売買が集中する有事にはスリッページや約定拒否が起こりがちで、「約定しにくい」、「想定外のレートで約定した」という経験をした個人投資家も多いだろう。提示された配信レートのスプレッドが狭幅であっても仲値に滑りが生じたり、約定拒否が起きたりしたら意味がない。
<有事の実質取引コストに注目>
そこで重要なのが、有事の実質取引コスト(スプレッド+スリッページコスト)だ。
今回の調査で、雇用時計の指標発表前30秒と発表後3分間のスプレッドに、取引時(42約定)に発生したスリッページを加えた実質取引コスト(1往復当たりの平均)を算出すると、米ドル/円で1.381銭、ユーロ/米ドルで1.095銭となり、サクソバンク証券が最安となった。
スリッページは発生しても、全取引で1pip以内に限定されたため100%の約定率が達成されたとういうことだ。
一方で、スリッページ発生率が最も少なかったB社は米ドル/円で5.762銭、ユーロ/米ドルで5.824銭と高スプレッドが加算されたことで、実質的には最高コストとなり、約定率自体も最下位という結果だった。このB社の約定率は米ドル/円売注文で80%、ユーロ/米ドル売注文は75%と、1/4~1/5の確率で約定しなかった。
「他社よりも高額なスプレッドだが、スリッページは起こさない」であれば投資家は納得できるが、「スプレッドは高く約定率も最下位」では目も当てられない。
<プロなら許されないこと>
「コツコツ積み上げてきた利益を相場の急変時にごっそり失ってしまう…そんな悲劇が起こるのは、わずか数十秒の間の出来事です。これは個人投資家に限らずプロのディーラーでも同じです。しかし、そうした有事であっても業者間の取引であれば、よほど見込み違いの発注を行わない限り、取引が成立しないことはあり得ません。もし、何らかの操作で取引が成立しない事態となれば、プロは二度とその業者で取引をしないですからね」伊澤社長はそう話す。
個人投資家も為替市場で取引を行っている以上、プロと同じ環境で戦いたい。
使い慣れているFX会社で良いのか? どことなら安心して取引きできるのか?
あらためて、考えさせられる調査結果である。
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