March 11, 2011 / 8:02 AM / 9 years ago

ミツバチの大量死、受粉媒介動物全体の脅威にも=UNEP

ヒマワリから花粉を集めるミツバチ(10年7月27日、オランダ・ユトレヒト)

【オスロ10日ロイター時事】国連環境計画(UNEP)は10日、世界中の多くの地域で発生しているミツバチの大量死に関する調査報告を発表、大量死の裏には植物の受粉を媒介する昆虫全体、つまり人間の食物供給に不可欠な昆虫へのもっと広範な脅威が存在している可能性があると警告した。

 UNEPは、北米や欧州などでのミツバチの群れ崩壊の理由として、草花の減少、寄生虫のまん延、殺虫剤の使用、それに大気汚染など十数個の要因を挙げた。ミツバチの大量死が一つだけの要因によるならば、解決策も容易に見つかるかもしれないが、実際にはこれら各種の要因が複合しており、大豆、ジャガイモ、リンゴなど人間の食料になる植物の受粉に不可欠なその他の昆虫をも脅威にさらすかもしれないという。

 この調査は「ミツバチのグローバルな群生異変と、授粉昆虫へのその他の脅威」と題する報告で、中心になって作成したスイス・ミツバチ研究センターのペーター・ノイマン氏はロイター通信に対し、「ミツバチで見られる現象は氷山の一角だ」と述べた。同氏は「受粉の破局が差し迫っているわけではないが、危機の前兆がある」と述べ、「将来の受粉を確実にするために対策を講じる必要がある」と指摘した。

 調査報告は中国、エジプト、それに中南米でもミツバチの群れ崩壊が報告されていると指摘している。ノイマン氏は「地球規模の問題になりつつある兆候もある」と述べた。

 調査報告によると、ミツバチやチョウ、カブトムシ、鳥といった動物が受粉媒介を通じて人間界にもたらしている経済的な恩恵は、推定で年間1530億ユーロ(約17兆6000億円)。これは人間の食料生産額全体の約9.5%に当たる。また最近の推定では、ミツバチを中心とする「管理された種」による貢献度は570億ユーロにも達する。

 UNEPのシュタイナー事務局長は声明で「世界の食料の90%を提供する100種の農産物のうち、70種以上がハチによって受粉が媒介されている」と指摘している。

 ノイマン氏は、地球温暖化の犠牲者としては北極グマなどカリスマ的な動物が最も注目を集めているが、昆虫の研究をもっと進めるべきだと指摘。「昆虫は通常あまりキュートではないが、実はエコシステム(生態系)の根幹にあるのだ」と強調した。(了)

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