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チリ、大規模水力発電ダム建設承認=反対派は抗議行動
2011年5月10日 / 08:04 / 7年後

チリ、大規模水力発電ダム建設承認=反対派は抗議行動

【サンティアゴ9日ロイター時事】チリの地域環境委員会は9日、南部コヤイケで会合を開き、35億ドル規模の水力発電ダム建設計画「ハイドロアイセン」をほぼ全会一致で承認した。この計画については同国の深刻なエネルギー不足解消への期待がある一方で、同国南部パタゴニア渓谷の手つかずの自然が傷つけられるとして反対する声もある。

大規模ダム建設承認を聞いて、反対集会を開いた環境保護派の市民(11年5月10日、チリ・バルパライソ市)

 チリは世界最大の銅産出国で、エネルギー需要の増大と干ばつに伴うエネルギー不足に直面、電力網の増強と多様化を進めようとしている。同国は今年、停電を回避するために電力供給を減らすという事態に陥っている。

 ハイドロアイセンは電力大手エンデサ・チリとコルブンの合弁事業で、2つの主要河川にダムを建設し、発電所を5カ所設け、2750メガワットを出力する計画だ。しかし、まず南部の発電所から首都サンティアゴまで2000キロメートル以上の区間に送電線を引くために、関係当局から別途承認を得る必要がある。

 計画の是非を問う地域環境委員会の審議の模様はテレビでも生中継された。委員会表決が行われた建物の外では、反対派が抗議して石を投げたり、喪を示す黒い旗を振ったりした。政府は表決を前に、コヤイケからサンティアゴまでの地域の警備を強化していた。

 ピニェラ大統領は昨年、環境上の懸念から地熱発電所の建設計画を取り消している。それだけに、今回のダム建設承認はエネルギー投資家からの信頼回復の一助になるとみられている。サンティアゴ証券取引所ではエンデサとコルブン株はこの日の大商い銘柄で、表決を控えて2%以上上昇。その後、小緩んだ。

 ピニェラ政権は電力需要の拡大に対応するため、他のエネルギー計画についても速やかな承認を促している。ハイドロアイセンの承認は、争点になっている他のエネルギー事業にも道を開いたと見る向きもある。

 チリでは原子力発電の野心的な構想もあったが、日本の大震災と原発事故で水を差された形だ。世界有数の地震国チリは昨年、大地震と津波の被害を受けている。

 一方、ダム建設事業を推進する合弁会社のフェルナンデス執行副社長は先月、ロイター通信に対し、送電線の調査報告を12月までに提出できると予想。その後、全体的な事業を進めるか2014年に決断されるだろうと述べていた。

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