[シンガポール 11日 ロイター] 11日午前のアジア通貨は、原油価格の反発でインフレ懸念が再燃し、フィリピンペソが下落。一方、当局による市場介入への警戒感から韓国ウォンは上昇、人民元は最高値を更新した。
アジア通貨は総じて横ばい。米金融セクターの動向や世界のクレジット市場の先行き不透明感に対する懸念が再燃するなか、投資家は様子見姿勢をとっている。
フィリピンペソPHP=は前日終値から約0.5%安の1米ドル=45.79ペソ。ただ、8日につけた10カ月ぶりの安値となる同45.88ペソは上回っている。
フィリピンは、他の主要なアジア諸国と違って貿易赤字を抱えており、同国通貨は原油価格の上昇に特に影響されやすい。
ただ、フィリピン中央銀行が米ドル売り介入を行うのではないかとの見方から、ペソの下値は限られるとみられている。同中銀はここ数週間にペソ支援のための為替介入を何度か行っている。
ペソの年初来の対米ドルでの下落率は約9.8%と、アジア通貨の中で最も悪いパフォーマンスとなっている。これにインドルピーINR=INの8.3%安、韓国ウォンの6.6%安が続く。
11日アジア取引の原油先物CLc1は1バレル=142ドル近辺で推移している。
10日の米国株式市場とエージェンシー(政府機関)債市場で、米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)FNM.Nと米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)FRE.Nが前日に続き、下落したことを受け、クレジット市場をめぐる懸念がアジア通貨を引き続き、圧迫している。両社をめぐっては存続に必要な増資を行う能力について懸念が高まっている。
韓国ウォンKRW=は1米ドル=996.9ウォンと、前日の国内市場終値の1002.9ウォンから0.6%上昇。当局のドル売り介入が警戒されている。
トレーダーは、韓国が今年、ウォン相場支援に170億ドルを費やしたとみている。韓国当局は、ウォンの1カ月物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)の対米ドル相場を支援するため、オーバーナイトで、ドル売り介入を行ったもよう。
人民元CNY=CFXSは1米ドル=6.8361元に上昇し、切り上げ後の最高値を更新した。中国人民銀行(中央銀行)が、この日の人民元<の基準値を切り上げ後の最高値となる1米ドル=6.8397元に設定したことが背景。
人民元は対米ドルで年初来6.8%の上昇となり、これまでトップだった台湾ドルTWD=TPの上昇率を上回った。
*0248GMT(日本時間午前11時48分)時点のアジア各国通貨の対米ドル相場は次の通り。
シンガポールドル 1.3597
台湾ドル 30.428
韓国ウォン 1000.40
タイバーツ 33.70
フィリピンペソ 45.76
インドネシアルピア 9160.00
インドルピー 42.99
マレーシアリンギ 3.2450
人民元 6.8369
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