[シンガポール 8日 ロイター] 8日のアジア通貨市場はマレーシアリンギ主導で上昇した。予想を上回る力強い内容となった豪雇用統計を受け、世界経済への楽観的な見方が広がり、米ドルが下落したことが背景。
ただ当局の介入により、フィリピンペソとタイバーツの上値は抑えられた。
韓国当局は、豪雇用統計を背景とした米ドル売りを受け、ウォン高抑制の介入を行ったもよう。
中国本土市場は祝日のため休場。
マレーシアリンギMYR=は0.8%高の1米ドル=3.388リンギで、2008年8月以来の高値に上昇した。
一方シンガポールドルSGD=も、リンギの堅調な流れに追随。対米ドルで0.4%高の1.3935シンガポールドルで、08年初め以来の高値を付けた。ただ、トレーダーによると、シンガポール当局による介入の兆候は見られなかった。前日は重要な節目水準となる1米ドル=1.4シンガポールドルを防護するため、当局による介入が目撃されている。
フィリピンペソ PHP=は約0.3%高の1米ドル=46.45ペソで、年初来高値を付けた。だが当局の介入により、この水準がペソの強い上値抵抗線となっている。
マニラのトレーダーは「フィリピン中銀は(ペソの)年初来安値の水準ですべてのドル売りを吸収している」と指摘、米ドル買いの介入規模は3億5000万─4億ドルとの見方を示した。
オフショアの1カ月物米ドル/ペソNDF(ノンデリバラブル・フォワード)PHPNDFOR=は一時46.45ペソに下落。これはスポット価格から横ばいを織り込んだ水準となる。
タイバーツはドルに対してTHB=1年2カ月ぶり高値を更新し、33.28バーツをつけた。
タイ中銀は、バーツの上昇は急激とし、介入継続の姿勢を示した。これを受けバーツは32.29バーツ近辺に落ち着いた。
あるトレーダーは「中銀はけさ、市場にゆっくりと介入したもようで、さほど活発ではなかった」と語った。
中銀はここ数週間、バーツ高抑制の介入をしばしば行っているとトレーダーは指摘。ただバーツは、株式市場への海外からの資金流入で、9月初めからドルに対して2%上昇している。
*0528GMT(日本時間午後2時28分)時点のアジア各国通貨の対米ドル相場は次の通り。
シンガポールドル 1.3933
台湾ドル 32.132
韓国ウォン 1167.30
タイバーツ 33.31
フィリピンペソ 46.45
インドネシアルピア 9375.00
インドルピー 46.29
マレーシアリンギ 3.3880
人民元 ―――
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