for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

〔Q+A〕米雇用統計、失業率低下でも雇用者数が3.6万人増にとどまった背景

 [ワシントン 4日 ロイター] 米労働省が4日発表した1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が3万6000人増と、市場の事前予想14万5000人増を大幅に下回る伸びにとどまった一方で、失業率が9.0%に改善するという一見対照的な結果となった。

 非農業部門雇用者数が示す雇用が十分でなかったにもかかわらず、失業率が2009年4月以来1年9カ月ぶりの低水準となったのはなぜか。

 以下、非農業部門雇用者数と失業率が相反する様相を呈すという「ゆがみ」が生じた背景と、なぜエコノミストの予想が大きく外れたのか、Q&A方式で解説する。

 <雇用者数が伸び悩むなか、失業率が大幅改善したのはなぜか>

 米雇用統計は、事業所調査と家計調査という2つの調査により構成される。エコノミストらは、サンプル数が多いため変動のより少ない、事業所調査に基づく指数を重視する傾向がある。

 今回、雇用が3万6000人しか増えていないと結論づけたのはこの事業所調査に基づく非農業部門雇用者数。一方、失業率は、別の家計調査により算出される。事業所調査が約14万の企業・政府機関を対象に行われるのに対し、家計調査は約6万世帯が対象と、両者のサンプル数には開きがある。

 1月の雇用統計で家計調査を解釈するのは、特に難しい。政府が人口統計を修正するため、12月と1月のデータの間にひずみが生じるからだ。一部のエコノミストは当初、失業率の低下は労働人口の減少を反映したものと考えたが、人口統計修正後のデータでは労働人口に大きな変化はなかった。

 家計調査の結果、「就業中」と回答した人は12月─1月の人口統計修正分の調整後で、58万9000人増。「失業中」と答えた人もほぼ同数減っており、これは今回の失業率改善というトレンドと一致する。

 <エコノミスト予想が大きく外れたのはなぜか>

 今回発表された1月の雇用統計では、「天候」が最大のワイルドカードとなった。労働省は、豪雪のために同月仕事ができなかった人の数を例年の約2倍にあたる88万6000人と推定している。

 エコノミストにとって、豪雪がどの程度非農業部門雇用者数に影響するかを正確に予想するのは至難。実際には、こうした影響の定量化はたとえ事後であっても難しい。

 また、労働省の調査方式にも一因がある。事業所調査では、毎月12日を含む1週間が調査対象期間で、この期間にたとえ1時間であっても給与が支払われていれば、就業中とみなされる。

 事業所調査では、新規に開設した事業所からの就業データ収集に時間がかかる傾向もあり、家計調査の方が職を見付けた人の数が多く出る要因になっている。

 労働省は非農業部門雇用者数を昨年12月分まで6カ月連続で上方改定しており、2月の雇用統計では再び、1月分が上方改定される可能性がある。

 <ADP、その他の調査が示す結果と政府統計がかい離しているのはなぜか>

 労働省が雇用統計を発表する2営業日前に米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が発表する民間部門雇用者数は、しばしば「全然当たらない」指数だとやゆされる。

 2010年を通して見てみると、ADP雇用報告は政府統計より低く出る傾向がある。12月までのほとんどの月で、ADPでは雇用者数の増加を労働省発表の数字よりも小さく報告しており、それは今回発表された2011年1月の統計でも同様だった。ADPのデータによると、雇用の増加の大半は中小企業が占めている。

 また、米供給管理協会(ISM)が発表する景気指数の構成項目である雇用者数も1月、製造業・非製造業ともに力強い伸びを見せた。

 こうした民間の雇用関連指標が労働市場は政府統計より明るいと示していることから、労働省の調査が中小企業の雇用の一部について見逃している可能性がある。

 <労働省の雇用統計がしばしば、後日に大幅改定されるのはなぜか>

 政府の事業所調査は大規模なものではあるが、1億5300万人規模の労働力人口の動向すべてを網羅できはしないというのは、統計担当者も認めるところだ。労働省では、毎月の雇用統計発表時に過去2カ月間のデータを見直し、改定することにしている。

 また、発表される雇用者数はサンプル調査に基づくものであるため、その結果はあくまでも推測に過ぎない。労働省によると非農業部門雇用者数の誤差は10万人前後で、つまり1月の雇用者数は、90%の高確率で、6万4000人減─13万6000人増の間だったということになる。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up