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UPDATE4: ECB理事会後のトリシェ総裁の発言要旨
2007年9月6日 / 13:16 / 10年後

UPDATE4: ECB理事会後のトリシェ総裁の発言要旨

 [フランクフルト 6日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)理事会後の会見でのトリシェ総裁発言要旨は以下のとおり。

 ECBは6日の理事会で、主要政策金利である定例買いオペの最低応札金利を4.00%に据え置いた。限界貸出金利と中銀預金金利もそれぞれ5%、3%に据え置いた。

 <全会一致、「強い警戒(strong vigilance)」の文言用いず>

 まず今日の決定は全会一致だった。第2に「強い警戒(strong vigilance)」という文言を用いなかった。それについては、これ以上コメントしたくない。理事会を代表して私が述べたこと全体に関する判断は、市場に委ねる。第3にわれわれは物価安定へのリスクと経済へのリスクとを比較しておらず、リスクのバランスをとることはない。

 われわれのコンパスの針は常に物価安定だ。物価安定をもたらすことはわれわれの主要な任務であり、インフレ期待の抑制はわれわれにとって常に最重要課題である。

 <事前のコミットメントなし>

 その時が来たらもちろん「強い警戒」の文言を用いる。ただ8月2日に用いたこの文言に関しては、8月2日の記者会見で述べたことを確認してほしい。われわれはまったく予断を持ち合わせていないことを再度強調しておく。

 <限界貸出金利は協議せず>

 (限界貸出金利の引き下げは)一切話し合わなかった。

 <補完的買いオペ>

 補完的な長期買いオペの実施を決定した。ベンチマーク・アロットメントを設定しない変動金利方式で実施され、通常の入札方式を適用する。

 われわれは責任を果たしており、私はそのことを誇りに思う。ただ、金融政策上のスタンスと混同してはならない。これらは2つの異なる事柄だ。

 <マネーの伸び>

 入手可能な7月末までの指標に基づくと、クレジットとマネーの基調的な伸び率は依然力強い。

 過去の経験では、民間セクターのリスクに対する考え方と姿勢、そしてその結果としてのポートフォリオ上の行動が、マネーの動向に強く影響を及ぼした。

 7月のマネーのデータはすでにこのようなポートフォリオの状況から一部影響を受けている可能性があり、8月のデータでは一段と影響する可能性がある。

 全体的には、基調となるマネーと信用の拡大が依然として力強いことは、中・長期の物価安定への上向きのリスクを示している。そのことから、マネー動向は引き続き非常に注意深い監視を必要とする。

 <政策は依然緩和気味>

 われわれの金融政策は依然緩和気味(still on the accommodative side)で、ユーロ圏のマネーと信用の伸びは引き続き力強い。

 同時に、高水準の不透明性を踏まえると、金融政策の新たな結論を出す前に、追加情報が必要。理事会は、われわれの評価を基に全ての動向を非常に注意深く監視(monitor very closely)していく。また、タイムリーに断固たる行動を取ることで、物価安定のリスクが顕在化しないようにするとともに、中期インフレ期待が物価安定とともに引き続きしっかりと抑制されるようにする。

 <物価安定>

 物価安定への上方リスクとしては、間接税が予想以上に引き上げられることや、原油や農業部門での価格の一段の上昇などがある。より基本的には、賃金の予想以上の伸びや、競争が比較的少ない市場セグメントにおいて価格決定力が高まる可能性がある。こうした動向は物価安定への上方リスクとなる。

 

 <インフレ>

 年内はインフレ率が再び2%超に上昇する公算が大きい。2008年は、間接税とエネルギー価格の影響力低下が、単位労働コストの上昇圧力に相殺される見通。2007年と2008年の新しいレンジ(ECBスタッフ予想)は、過去に予想されたレンジ内だ。

 <政策決定の背景>

 前回の会合以降に入手した情報から、物価安定の中期的見通しが依然上方リスクに傾いていることを確認。

 最近のマクロ経済指標も、ユーロ圏経済の力強いファンダメンタルズを確認しているとともに、実質域内総生産(GDP)の伸びに対する良好な中期的見通しを支持している。

 こうした背景の下、われわれの金融政策は依然として緩和気味。

 同時に、ここ数週間の金融市場のボラティリティとリスクの再評価は、不透明性の高まりにつながった。この高水準の不透明性を踏まえ、追加情報や新たな経済指標を集めることが適切。

 <市場>

 現在の環境では、インフレ期待がしっかりと抑制されていることがより重要だ。

 金融市場に関しては、しばらくの間、引き続き動向に多大な注意を払って(pay great attention)いく。

 <市場/インフレ>

 いずれ物価安定をもたらすと信認される能力がわれわれには求められる。これは市場で中期的なあらゆる見通しをしっかりと抑制するため、一般的に市場にボラティリティが見られる時には一段と重要だ。

 そのため、インフレ期待のしっかりとした抑制に異例なほどの注意を継続することは、現在の状況に対するわれわれの責任の一環である。

 一方、それとはまた全く別に、どのようなプライスや金利であっても、マネーマーケットの適切な機能、正しい機能に注意を払う必要がある。市場は機能しなければならない。

 われわれには2つの責任があり、それはすべて完全にわれわれの主要な責任として受け入れられる必要があるが、それらは互いに影響し合うことはない。

 <市場の機能>

 マネーマーケットと金融政策の適切な機能を混同しないように。市場はどのようなプライス、どのような金利であっても機能しなければならない。かなり以前からわれわれは、世界の金融市場でのリスク評価の水準に診断を下してきており、それは一般的にはリスクを過小評価しているというものだった。

 われわれの見解では、多くの機関、エージェント、投資家、貯蓄家がおそらく軒並み、不安や信頼感欠如の姿勢になっており、それが十分な透明感の欠如の非常に大きな部分につながっている。

 

 <賃金面の責務>

 すべての関係者が責務を果たすことが重要。リスクの顕在化の可能性について、注意深く監視する必要がある。

 <世界経済活動>

 米景気が減速する可能性が新興市場国の堅調な成長維持におおむね補われるとの見通しから、世界の経済活動は力強さを維持すると予想される。

 <ユーロ圏成長>

 全体としてみれば、指標は、ユーロ圏の経済成長が持続可能なペースで拡大を続けていることを示唆している。

 <経済活動>

 全般的に、ユーロ圏の経済活動は持続的なペースで拡大を続けていることを経済統計は示している。ただ、これらの成長ペースのボラティリティにしかるべき注意を払う必要がある。

 第3・四半期のさまざまな信頼感に関する統計内容や指標に基づいた見通しは全体的に依然として好ましく、域内総生産(GDP)実質成長率が持続的なペースで伸びていることを支持している。

 <監視>

 理事会は、われわれの評価を基に、タイムリーかつ断固たる方法で、あらゆる動向を非常に注意深く監視(monitor very closely)する。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
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